【時間管理】残業前提の人は時間にルーズになりがち。タイムマネジメント向上4ステップ

業務効率化

残業をすると、時間という資源を管理する意識が弱くなる

みる子
みる子

サラリーマンは定時で帰れている人は少数派で、定時後に残業するのは当たり前のこととなっている。
残業代が出る会社はそれはそれで結構だし、仕事が好きで残っている人もいるので、あえて止めはしない。
しかしながら、残業を前提とする働き方にはまずい面もある。
時間的目標を定めずにただただ終わるまで働くというやり方に陥ってしまっており、タイムマネジメントの概念が抜けてしまっている。

残業ペンギン
残業ペンギン

ぼくも残業ばっかりですが、確かに今日は何時までに何をやるとかっていうのは考えてなくて、目の前の作業を日が暮れるまでひたすら……という働き方になっています。

みる子
みる子

そうした働き方は、残業により時間的リソースを確保しているようで、じつは時間を浪費してしまっている。終わらなければ時間をつぎ込めばいいやと考えてしまい、時間的リソースを効率的に使って目標を達成するという意識が弱くなってしまう
残業が当たり前になりすぎてしまい、多くの社会人がこの誤謬に陥っている。

残業ペンギン
残業ペンギン

たしかにそうかも……。

みる子
みる子

以前に参加したあるプロジェクトで、非常に特徴的な状況に直面したので紹介したい。
そのプロジェクトチームでは、私を除き5人の少数チームではあったものの、参加者が下記2種類の人間に分類できた。

【あるプロジェクトチームの参加者】
・常に定時を一つの時間区切りとして、逆算してタイムマネジメントをしている人
・特に時間目標がなく、終わるまで残業する人
残業ペンギン
残業ペンギン

おー。タイムマネジメントしている人としていない人が、キレイに分かれたってことですか。
なんでまたそうなったんでしょう?

みる子
みる子

実はこれ、前者が女性2人、後者が男性3人という分かれ方だった。
※筆者はカウント外

残業ペンギン
残業ペンギン

おお、性別でも分かれたんですか?でも時間管理能力に男女は関係ないですよね。

みる子
みる子

うむ、もちろん時間管理能力に性差などはないが、この事例ではキレイに男女でチーム分けが出来てしまった。
なぜこうなったのか説明しよう。
女性一人はお子さんが小さいので送り迎えをせねばならず、必ず定時に上がらなければならないという事情があった。
もう一人の女性は、副業や勉強を積極的に行っていたので、仕事は定時までに切り上げてそちらに注力する必要があった。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、定時後にすべきことがあったわけですね。

みる子
みる子

いずれにしてもこの女性2人は、時間を管理し、定時以内に他人が認めるアウトプットを出すための工夫をしなければならない状況にあり、そしてそれを見事に達成した。この二人は平均的な技術者を軽く凌駕する程度のアウトプットを出していた。

残業ペンギン
残業ペンギン

残業しなくても十分な量のアウトプットを出すのは、すごいことだと思います。

みる子
みる子

そうだな。一方、男性陣は平均的なサラリーマンという風で、仕事が終わるまで残業して働くというスタイルの働き方だった。こちらも十分なアウトプットを出してはいたが、タイムマネジメントをしているという感じではなかった。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、男性の方はとくに定時後の時間的縛りがなく、終わらない分は時間を投入することでカバーするという仕事スタイルなわけですね。

っていうか家に帰りたくない層も一定数いたりします……。

みる子
みる子

その通り。男性を下げる意図はないが、キレイに特徴が出てしまったので事例として挙げてみた。
しかしながら、毎日定時を一つの時間区切りとして働いている人と、時間的目標を定めずに働いている人とでは、タイムマネジメントスキルはどちらが育っていくだろうか、と考えてみてほしい。

残業ペンギン
残業ペンギン

うーん、そりゃ日々限られた資源で戦っている人の方が断然、管理能力は高くなりますよ。

みる子
みる子

残業前提で働いている人はそこを考えてほしい。
時間的目標を定めずに働くスタイルが当たり前になっていないか?そして、時間的目標を定めて働いている人と比べ、絶望的なタイムマネジメント能力の差が出来てしまっていないだろうか?
管理者や上流工程にいくほど、時間間隔や作業時間の見積もりが重要になってくる。
いまいちど、タイムマネジメントの大切さを思い出してほしいと思う。

残業ペンギン
残業ペンギン

でも時間管理って難しいですよね。
決まった作業以外に飛び込みのタスクとかがあったり、結構流動的なので。
どうすればいいんでしょう?

みる子
みる子

そう考えている人のために、タイムマネジメントのための4ステップについてまとめてみた。

タイムマネジメント向上4ステップ

第一に、いまやることを決める:緊急度と重要度の分類

みる子
みる子

まずタスクはその性質に応じて分類をする必要がある。
今回は緊急度と重要度を軸に分類する方法について紹介する。

残業ペンギン
残業ペンギン

緊急度と重要度を軸にした表ですか。

みる子
みる子

その通り。
例えば、障害対応などのトラブルは、すぐに対処しなければならないものであり、重要度も緊急度も高い。放っておいたら多くの人の業務が止まったりするためだ。
一方、緊急度は高いがそこまで重要ではないタスクもある。当日に迫った定例会の資料準備であったり、顧客からの急な電話や問合せ、急に呼ばれた会議などだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど。それらの軸でタスクを整理して、重要度も緊急度も高いものから対処すればいいわけですね。

みる子
みる子

まあ、短期的なタイムマネジメントについては確かにその通りだ。
緊急度の高いものの中で、重要度順に処理をしていき、タスクが間に合わない場合は重要度の低いものは諦めるという選択をとる。例えば、定例会をキャンセルしたり、電話は留守電設定にするなどだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

システムトラブルなんかだと、その日の会議は全部キャンセルして対処したりしますよね。

みる子
みる子

そういった場合もある。タイムマネジメントの基本として、とにかく優先度を決めないことには始まらない。
このときありがちなのは、緊急度ばかりを見てしまい、重要度の観点が抜け落ちてしまうことだ。あれもこれもやってしまうことで、手が回らなくなるというパターンだな。

残業ペンギン
残業ペンギン

手が回らないときって、どうしても切り捨てなきゃいけない作業がありますよね。

みる子
みる子

その通り。そして、それは「何を対処し、何を対処しないか」を選択することでもある。
無駄なタスクに振り回されていてはタイムマネジメントはできないし、長期的には自分のキャリアを中身のない作業に振り回された時間で埋めてしまうことになりかねない

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど……。では、緊急度と重要度の高い案件だけをやっていくようにします!

みる子
みる子

とりあえず、短期的にはそれでいい。特に忙しいときはそうなりがちだ。
しかしながら、もう一つ観点がある。
緊急度は低いが、重要度の高い象限をよく見てほしい。

残業ペンギン
残業ペンギン

どれどれ……。
改善活動とか、人員育成とか、スキルの継承とか、組織の見直しですか。
あれ?これってめちゃ重要ですね。

みる子
みる子

その通り。まさにそれらの行動こそが、組織の価値を高める「重要度の高い」行動だ。
しかしながら、緊急の案件に振り回される忙しい状況においては、それらは重要度が高いにもかかわらず、後回しにされがちになってしまう。その状況においては自分の価値も、組織の価値も上がらない。
重要度の高い象限にいかにリソースを割き、重要度の低い象限へ割かねばならないリソースをいかに減らしていくかというのが、タイムマネジメントや案件管理の大目標となるわけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど……。
緊急度に振り回されて、改善活動や人員育成に時間を割けなくなると、ジリ貧に陥ってしまいますね。

みる子
みる子

というわけで、緊急度と重要度を整理する表を使って、自分が今何をすべきなのかの意思決定をするわけだ。

第二に、「いつまで」に「なに」をアウトプットするか決める

みる子
みる子

先ほどの表を使って、自分が今何をすべきかを決定したら、次に「いつまでに」「どのような」成果物を提出するのかを決めるわけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

まずは時間を決めるわけですね。

みる子
みる子

そうだ。しかし、時間だけではなく、具体的にどのようなものをアウトプットするかも、ここで決まってくる。
時間を決めるということは、アウトプットの内容を決めることでもあるからだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

おー、どういう意味でしょうか?

みる子
みる子

【時間を決めればアウトプットの内容も決まる】ということについて分かりやすく説明しよう。
例えば、「10分で報告資料を作れ」と言われた場合と、「5時間で報告資料を作れ」と言われた場合について考えよう。
ペンちゃんなら、上司にいきなり10分で報告資料を作れ!と言われたらどうする?

残業ペンギン
残業ペンギン

うーん、10分でですか。無茶ぶりだなあー……。
まあ、その所要時間だと例えば障害速報みたいなものをイメージしますね。
最低限の情報を関係者間でとにかく早く共有するためのものを作ります。既存の速報用のフォーマットを使って、それを穴埋めするようなイメージで作成します。

みる子
みる子

なるほど。では5時間で作れと言われたらどうだろうか?

残業ペンギン
残業ペンギン

5時間でと言われた場合は、情報の正確さとか、読む人へ与える印象なども考慮して、良いカンジに作らないといけない報告資料になりますね。

みる子
みる子

うんうん、その通りだ。時間を決めるということは、時間というリソースの投入量を決めるということで、即ち仕事の質と着地点を決めることでもある。
言い換えればゴールを明確化するということだ。そして、ゴールが明確でない仕事はほぼ失敗する。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、だから具体的に何時までにどの程度のものを作る、ということを決めるのがタイムマネジメントとして重要ということですね。

みる子
みる子

しかしながら、このようにいつまでに何を作るかを考えないまま、とにかく手を動かし始めてしまう人が多い。ゴールもあやふやなままに仕事を始めてしまうので、それを評価する上司や顧客の意識とは必ず乖離する。しかも、時間を決めていないので必要以上に時間的リソースを投入して、望まれているものと違うものをアウトプットするわけだから、当然ながら評価が著しく低くなるというわけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

ぼくも早合点して作業を進めてしまう方なので、そういわれると怖いですね……。

みる子
みる子

どんな仕事にも、割くことが可能な時間の上限は決まっている。その範囲内で最大の成果を出すには、「いつまでに」「どのような」アウトプットをするか決めておくのが重要だ。

残業ペンギン
残業ペンギン

たしかに、自分の作業をいつまでにやるかとか考えず、とにかく作業を始めてしまうパターンが多いですね。まず着地点を決めるというのは、意識していこうと思います。

みる子
みる子

これは意識的にやらないと身につかない。いきなり手を動かし始める癖を持っている人は、どうしても「いつまでに」「なにを」というのがすっぽ抜けてしまう。

ゴールをあらかじめ決めると作業効率も上がるし、手戻りだって少なくなるので、ぜひ意識すべきだと思う。

第三に、小まめなレビューを入れる

みる子
みる子

「いつまで」にやるかを設定するとき、この時間を「顧客に提出する期限」で設定してしまう人がいるが、これも陥りやすい誤りだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

あー。成果物って、絶対に手直しとかが入るから、【自分が思っている完成】の時期を顧客提出期限と合わせてしまうと、泣きを見るパターンがありますね。

みる子
みる子

その通り。もちろん、顧客への提出期限から逆算して正確に期限を引ける人ならそれで良い。
しかし、多くの人は正確な逆算は出来ず、顧客提出ギリギリに第一弾を提出して、「こんなもの駄目だ」と差し戻されて泣きを見る。そういう人は、内部レビューで成果物が却下される可能性について全然考慮していない。目の前の作業に手いっぱいで、品質や提出される側の視点などが全く考慮できていないからだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

そういうのって、どうやって改善したり防止したりすればいいでしょうか。

 

みる子
みる子

「いつまで」は常に2段階以上設定することだ。成果物というのは、アウトプットとして具体化して初めて気付く欠陥が多いものだ。
その欠陥とは、品質不足であったり、上司や顧客の求めるものとの乖離であったりする。
少なくとも「いつまで」というのは【上司提出】と【顧客提出】の二段階で設定する必要がある。
いつまでに上司へ提出し、いつまでにレビューと手直しをし、いつまでに顧客提出をするか、というのがタイムマネジメントだ。

この二段構えは、時間管理上、常に組み込んでおかねばならない

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど。いったん内部で揉んで手直しする時間を、あらかじめ考えておくと。
上司提出や内部レビューを考慮できていなくて、タイムマネジメントで失敗するケースは多そうです。
まあぼくもそういう失敗多いですが……。

みる子
みる子

システム構築プロジェクトに入ると、WBSといって各作業に日程が振られている作業表が存在する。
そしてWBS上では、成果物の顧客レビューの前に、チーム内部レビューの日程が必ずひかれている。これはタイムマネジメントに失敗しないための教訓が、プロジェクト運営にあらかじめ反映されているからだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

スケジュールを引いた段階で、手直しの時間も考慮されているんですね。

みる子
みる子

WBSに従って仕事をしているうちは良い。

しかし、WBSのない仕事(流動的な案件など)をさせた途端に、この意識が抜け落ちる技術者が多い。「仕組みに動かされている」だけの受け身の技術者は、普段触れているWBSなどの仕組みから教訓を拾うことが出来ないので、結果的にタイムマネジメントで失敗を繰り返すことになる。
逆に、そういったものから学ぶ姿勢がある技術者は、単価の高い上流工程や管理者等にステップアップしていくというわけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど……。普段言われるがままに仕事しているだけだと、タイムマネジメントの意識なんて育ちませんから、自分で考えないといけない局面では失敗してしまうのは必然ですね。

みる子
みる子

いずれにしても、こまめな内部レビューの時間を計画するのは、タイムマネジメント上非常に有効だ。成果物というのは、形にしてみて初めて足りないものに気付く。
逆を言うと、具体的な絵が見えない内は進捗ゼロだと思うくらいでちょうどいい。小まめにレビューすれば、直前で欠陥に気付くということがなくなり、結果的にタイムマネジメントの成功につながる。

第四に、「いつまで」はつねに定時以内を設定

みる子
みる子

「お客さんに今日中に出す資料」と聞いて、夜の22時くらいまでに仕上げるような道筋を立ててしまうようではだめだ。
お客さんだって定時には帰るし、お客さん不在の時に出すのでは、それは翌日出すのとあまり変わらない。
とにかく物事は定時以内に終わらせるという意識が大事だ。
「定時後にも時間がある」という思考自体がタイムマネジメント意識を狂わせ、ロスタイム頼りでサッカーの試合をしているような状況に陥らせる。しかし、ロスタイムの逆転劇が楽しいのはサッカーだけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

サッカーや将棋などは時間が限られている競技ですが、仕事も同様ということですかね。

みる子
みる子

その通りだ。
しかしながら、私が見たことのある事例でいうと、こういったことを平気でしてしまう人もいる。

・顧客承認が必要な成果物の承認依頼を定時後にメールで送る(当日締切)
・承認依頼自体は定時前に送ったが返信が来ず、定時後しばらく経っても
 電話でフォローするなどしない
みる子
みる子

こういった事例では、顧客が帰ってしまったりなどの可能性を考慮できておらず、楽観的な時間感覚で働いている姿勢が表れている。

残業ペンギン
残業ペンギン

時間管理の観点からすると問題ですが、自社も顧客も、定時後も働くのが当たり前みたいな人が多いので、普通にこういった事例も咎められずに受け入れられていますよね。

みる子
みる子

そうだ。定時後にこういうことをしても、自社も顧客も誰も怒らない。しかしそれは決していい習慣ではない。
誰も怒らないからこうした事例が横行し、タイムマネジメントの意識がどんどん失われていき、結局日本人の労働者の生産性の低さにつながっている。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど……。こういう事例でいうと、承認者、つまりお客さん側に「絶対定時で帰るマン」みたいな人がいると、自ずとぼくらもタイムマネジメント意識が身につきますね。

みる子
みる子

その通りだ。そういう人が増えればいいんだが、現状では副承認者が遅くまで頑張ってしまったり、定時で帰る人が白い目で見られたりする。こういった現状を打破し、定時帰りを促進することがむしろ日本人の労働生産性の向上につながるのではないかと思う。

残業ペンギン
残業ペンギン

「いつまで」は常に定時以内を設定して、そこから逆算するタイムマネジメントが大事なんですね。

みる子
みる子

その通りだ。残業時間は時間としてカウントせず、残業はタイムマネジメントに失敗した時のリカバリにあてるべきもの、という厳しい意識を持つことが大事だな。

上司や承認者の立場であれば、やむを得ないケース以外は、定時後に承認を出さないという姿勢でいることも必要だ。

残業ペンギン
残業ペンギン

現状だと、その「やむを得ない」の範囲が広すぎるのが問題ですね……。

時間管理が出来れば一流に近づく

みる子
みる子

さて、ここまで話してきた内容はどうだったろうか。
タイムマネジメントの方法論は一様ではないので、同意できる部分、出来ない部分があったと思われる。
しかし確実に言えるのは、タイムマネジメントができる労働者は非常に少ないので、これができるようになれば他人との差別化ができるということだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

みんなすぐ手を動かし始める癖がついてますからね。

みる子
みる子

だが、「いつまでにやるかを考える」というだけであれば、専門的なスキルも必要がなく、まずはいきなり手を動かしてしまう癖を改めれば良いだけの話だ。

残業ペンギン
残業ペンギン

それだけでも他人と差別化できるというのであれば、お得なアプローチかもしれませんね。

みる子
みる子

そういうことだ。差別化できれば他人より一歩先を行ったことになる。一流のビジネスマンを目指すうえで、どんどん他人との差別化要素を広げていこう。
それでは、今回はここまでだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

ありがとうございました。

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