能力の高さは仕事の速さで示す方がいい
「この人の仕事能力は高い」という評価を得るためには、素早く仕事をすることが重要だ。
素早い仕事は誰が見ても評価しやすいし感心されやすい。
仕事効率を追求することは、働き方を変え、人生を上向かせる第一歩となる。
前提:能力=速さの理由
生産性指標「QCD」というものがある。
Quality(品質), Cost(費用), Delivery(納期)の頭文字をとったものだ。
高品質なものを、コストをかけず、短納期で製造することができるほど生産性が高いということだ。
だが、人間一人に注目した場合、CとDは限りなく意味が近くなるので、結局個人の生産性とは 「早くアウトプットを出す」か「品質の良いものを出すか」に集約される。
わかりました、明日から早く質のいい仕事をすればいいんですね!
がんばりまーす。
待て待て。そんないっぺんに達成できるわけないだろう
確かに。
よく考えたら僕、後輩よりコード書くの遅いです。
バグもそこそこ出すので、ちょいちょい怒られます。
こういう時は達成しやすい方から攻めるのが定石だ。
ところで、この二つはどっちが達成が難しいと思う?
えー……どっちも難しいですよ
これは以下のように覚えておくといい。
品質の上限というのはある程度の勉強と修行によってしか引き上げることはできない
一方で
早くアウトプットを出すのは工夫次第で意外とイケる
ということだ
おー。そうなんですか?
旨い寿司を握るのと早く寿司を握るのでは、
どっちが達成しやすいかな?
うーむ、なるほど。わかったようなわからんような。
仕事効率を上げる5つの方法
仕事効率をアップし、「この人の仕事能力は高い」という評価を得るための方法について整理する。
わたしがおススメするのは以下の5つだ。
1.Windowsのアニメーションを切る 2.メールソフトの通知は切る 3.よく使うワードは辞書登録 4.整理整頓の基本、5Sの実行 5.自分の仕事範囲の再確認
Windowsのアニメーションを切る
ところで、あなたはパソコンの動作が遅いと思ったことはないだろうか。
あー、レスポンス待ちみたいなの、よくあります。
いまや殆どのオフィスワーカはパソコンを使って仕事をしていると思うが、機械のレスポンス待ちというのは、日々数回、数秒の単位で発生しているはずだ。
大半の人々は「そういうもんだ」と受け入れてしまっているが、実は凄まじい生産性の低下につながっている。
単純な待ち時間に加えて、集中力も途切れるからな。
パソコン(Windows)はITの現場に限らず、大多数の会社員が使ってますよね。数秒のレスポンス待ちでも、総体でみるとかなりの損失を生んでいそうです。
その通り。会社で使っているパソコンというのは大概、型落ちのリース品だからな。スペックが求められるような職種でない限り、性能が良いものが割り当たることはない。
なるほど。ぼくプログラマーですけど、個々人のパソコン性能は不要なので、事務の人と同じ性能のパソコン使ってますね。
そのように大多数が共有している環境において、自分のパソコンだけ、ちょっとでも早くすることが出来たらどうか?
それだけで他人との差別化を簡単にすることができる。
下記の手順でWindowsのアニメーションを切るんだ。
手順:スタートメニューの設定 ⇒簡単操作 ⇒ディスプレイ ⇒Windowsにアニメーションを表示する ⇒オフ
おー。
なんか確かにレスポンス待ちっぽいのが少なくなったかも?
効果を体感できる場合もあれば、微妙にわからないという場合もあるだろう。しかし、無駄な処理が省かれた分、確実に処理が速くなり、短縮効果は日々累積していく。今すぐできる改善活動だ。
メールソフトの通知は切る
今や多くのメールがビジネスの場では飛び交っているので、通知の頻度も結構高いことだろう。しかし、メールの通知というのは、それだけで集中力の阻害要因になる。どうしても気になってしまうからだ。
高いパフォーマンスを発揮したければ、自分の「集中している時間」を最も尊重する働き方に変えるべきだ。
えー?でも大事なメールだったり緊急なメールだった場合はどうしたら良いんですか?
確かに重要だったり優先度の高いメールもあるが、下の表を見てくれれば、メールソフトの通知が不要な理由がわかるはずだ。重要度と優先度を軸に、4つの分類をおこなった。
まず優先度の低い右側を考えよう。優先度が低ければ当然通知は不要だ。このことから、来るメールの半分はまず通知不要と判断できる。
たしかに読まずに消すメール多いですねー。あとパスワード更新を促す通知とかも、大事ですけど通知はいらないかな。
つぎに優先度の高い左側のケースを考えよう。優先度は高いが重要度は低いというのは「飲み会の参加可否を早く返答してください!期日過ぎてますよ」とかいうメールだ。さっさと返答してあげた方がいいのだが、自分の業務や生産性の大事さとは比べるべくもない。
重要度も優先度も高い場合はどうしたらいいでしょうか?
そういうのを見逃してしまうのはちょっと怖いです。
緊急事態が起こったのでなにか連絡してきた、という場合だな。
私は、そういうときは電話しろ、と相手に言うようにしている。情報の性質などによってツールは使い分けるべきだし、電話に比べたら通知力も弱い。
このように大半の場合は通知機能は不要だし、本当に必要な場合の通知力は電話に劣るので、監視系の仕事でない限り通知は不要だ。
よく使うワードは辞書登録
毎度毎度、定型文として入力している文字列があるはずだ。
それらの入力を短縮できれば、積もり積もって相当な短縮効果となる。
下図は一例だ。
なるほど。「おs」まで入力してスペースキーを押したら、
「お世話になっております。XXです」まで出てくるんですね。
メールは何十通も打つし、有効ですね。
「いj」で「以上、よろしくお願いします。みる子」等と
するのもいい。
定型で毎回打ってるなあ、と思う文があればどんどん登録しよう。
整理整頓の基本、5Sの実行
5Sってなんですか?
整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つのSから始まる単語をまとめて5Sと呼ぶわけだ。
生産現場などの環境改善や作業効率改善の際によく出てくる考え方だが、事務方やITエンジニアにも当然適用できる。
デスクトップが汚かったり、情報をすぐに取り出せない状態のとき、作業効率は下がってしまう。
あ、ぼくのデスクトップきたないなあ
文具メーカーのコクヨは「一年の80時間は書類探しに費やされている」と言っている。80時間といえば0.5人月だ。月単価100万円のエンジニアなら50万円ということになってしまう。しかもITエンジニアの場合ネットを探したり技術書やライブラリから探したりする時間は、年間80時間では済まない。
よく使うコードパターンはエクセルに整理しておいたり、一連の設定パターンを台帳に保存しておいたりなど、過去事例をきっちりストックして取り出しやすくしておけば、そのまま仕事上の資産になる。
あー、ぼくそういうのよくサボるなあ。
台帳管理だけでもしっかりやろうっと。
自分の仕事範囲の再確認
これは最も重要だが、多くの日本人労働者が出来ていないことだ。これが出来るようになったとき、仕事効率に革命が起きるぞ。
えーっ?どういうことでしょう。
自分の仕事のスコープは明確に切る、ということだ。
他人から仕事を頼まれたとしよう。その仕事は、本当に自分がやるべき仕事だろうか?あるいは、現場に派遣されているITエンジニアの場合、その依頼は契約に含まれているだろうか?と考えることだ。
お客さんから言われたことでもですか?
顧客からの依頼こそ、契約と照らして本当に自分の作業かどうか、つまり作業スコープに入っているのかどうかをきちんと確認するべきだ。
ITエンジニアは便利屋稼業に陥りがちで、本来は別途でお金をもらうべき内容ですら、「急いでくれ」と言われてなんとなく引き受けてしまうこともある。顧客が急いでいようがなんだろうが、しっかり確認し、必要であれば対価をもらうべきだ。
自分がやるべきでない作業が増えてしまうことで、自分の本来やるべき業務が圧迫されて、生産性が大幅に下がってしまう。
うーん、たしかにぼくが今入っている現場のチームリーダーさん、なんとなくお客の言うこと聞いてきては、断れないので自分でやったり、下に無茶ぶりしていますね。
スコープ外でも金銭以外のメリットがあれば受ける場合もあるが、大抵は断り切れず受けてしまっているだけだ。
しかも、後からプロジェクトスコープでベンダーと顧客が揉めた時に、当の顧客マネージャーから「あんたなに契約外のことやってるの?説明して?」などと感謝どころか尻尾切りにあったIT担当者を見たこともある。
うわあ、ひどいな……。
自分の生産性を下げて、しかも報われない。
そんなことになるより、しっかり自分のやるべきスコープを見極めて、その中できっちりしたものを仕上げること。
評価されない仕事はやらないことで、無駄を大幅に削減できる。
でも日本人って性格的になかなか断りづらいですよね。
ぼくもお願いされたら断れず、ついつい受けてしまいます。
だからこそ大半の人が出来ておらず、差別化を図りやすいポイントということだ。契約文書へのアクセスができない場合は、チームリーダーとよく話し合って作業範囲を確認するなども有効だ。だが、自分の責任範囲内なのに断ったりすると、めちゃくちゃ信頼を失うので、注意が必要だ。効果が大きいものは、諸刃の剣でもあるということだな。
明日から働き方を変えよう
けっこうすぐにでも出来るものが多いので、役に立ちそうです。
明日からやってみようと思います。
アウトプットが早い人材として評価されれば、いずれは単価も上がり、給料も上がり、人生も変わっていくという寸法だ。
多くのオフィスワーカーにとって役に立つ情報となればいいと願っている。
以下に該当する人は、今すぐ5つの行動を実践し、働き方を変えましょう、という話。