リスニング力はTOEIC攻略の要と言っても良い。
TOEICの平均スコアを見ると、2020年1月実施の下記の通りで、リスニングの平均点数の方が高い。
Listening: 320.6 Reading:260.6
全体的に見るとリスニングというのはリーディングに比べ優しめの問題設定がされているので、得点を伸ばしやすいと言える。
では、リスニング力を伸ばしていくためには何をすればいいのか。
実は高額な教材を買わなくとも、今の時代、最高のリスニング教材が無料でYoutubeにたくさん転がっている。今回はリスニング力向上に有効なYoutube動画をご紹介する。
日常的にYoutubeを見るだけメソッドだが、リスニング満点をたたき出すのも夢ではない。
はじめに:リスニング力向上のために必要な考え方
音声教材だけでは限界がある
皆さんはリスニング力向上のためにどのような勉強をしているだろうか。
おそらく大半はTOEIC用の音声教材をひたすら聞いているという人が多いのではないかと思う。
そうした訓練でもリスニング力はある程度までは伸ばせるが、もともと英語の素地があまりない人は、すぐに成長限界が来ると考えている。
なぜか?
TOEICテストの音声教材というのは、テスト本番を想定した文章や問題を読み上げるものだが、本番向けの「実戦力」を鍛えるものではあるものの、英語の「基礎力」の向上にはあまり寄与していないからだ。
まずは基礎トレを重視する
音声教材を使えば、TOEICテスト用に英語力が最適化はされるが、基礎となる英語の力が無ければ成長限界がすぐに訪れてしまう。
まずは基礎トレをやってから、実戦力を鍛えるべきなのだ。
スポーツ系の部活をやっていた人ならわかると思うが、実戦(試合)をしていた時間よりも基礎トレをしていた時間の方が、圧倒的に長かったのではないだろうか。
走り込みなどの基礎トレをさんざんやらされるのは、基礎トレをして体全体の総合力を高めなければ、実戦でも力を発揮できないからだ。
基礎トレを疎かにして、試合にだけ出たがる部員は、どういう扱いを受けていただろうか。
英語の基礎力を向上させるには?
英語の基礎力向上には以下の2点が必要。
・生の英語を日常生活に取り入れる
「生の英語」こそ実戦じゃないかと思う人も居るかもしれないが、そうではない。
人間が第一言語をどのように習得するのかを考えて頂きたい。
人間は生まれてから大量の言葉に囲まれながら成長し、いつのまにか言語を体得する。
英語圏で生まれた赤ん坊は、そのようにして膨大な基礎トレを積んでいく。
日本語圏で生まれたであろうあなたも、語学を勉強するなら、いったん赤ん坊になったつもりで基礎トレからスタートした方が良い。
そこでおススメなのが海外のYoutube動画を見ることだ。
・生の英語を日常生活に取り入れる = 一日30分程度はYoutube視聴に費やす
無料で高品質かつ大量の英語音声教材が存在していると考えれば、これ以上の学びの場は無いと思うのだが、こういうアプローチを日本人は軽んじる傾向がある。
長年、机に向かって勉強しつづけた学校教育の呪縛と言っても良い。
だがYoutube動画の方が机に向かうより負荷も少ないし、楽しいし、学習効果も高い。
余談だが、筆者は外資系企業相手に商売する中で多国籍な技術者とやり取りするが、外国籍で日本語が上手い人は、日本のドラマやアニメが好きでよく見ているという人が多い。
というわけで、前置きが長くなったが、筆者が普段視聴していて面白い海外Youtubeチャンネルであったり、英語学習に役に立つチャンネルをご紹介する。
リスニング力向上におススメなYoutubeチャンネル7選
サマー先生と英会話 ! 【プライムイングリッシュ】
日本で10年以上英語を教えている、米国シアトル出身の【サマー先生】が英語を教えてくれるチャンネル。
日本語がメチャメチャ上手いのと講師歴が長いせいか、日本人の悩みどころをよく理解したうえで解説をしてくれるので、英語学習者に非常に役に立つ内容となっている。
第一回の動画が「発音」講座であることからも、日本人は文法や文章よりもまず音として英語を認識することが、英語習得の第一歩となると強く思われているのではないだろうか?
Ben Phillips: Prank系Youtuber
Prankとは「おふざけ」とか「ドッキリ」とかいう意味である。
Ben Phillipsはドッキリ系やいたずら動画を中心に配信しているイギリスのYoutuberだ。
Benが仕掛け人となって、Elliotを毎回イジり倒す内容となっている。
内容が結構えげつないのが海外らしさといったところ。
初期のほうに投稿している動画の方がガチっぽいので、追加日を古い順でソートして観てみよう。
全部英語なので何を言っているかわからなくても、映像だけで十分内容はわかるし楽しめる。だんだん英語を聞き取れるようになってきたら再度視聴すると、喋っている内容も面白いことに気付くだろう。
・シンプルに面白いので長時間視聴できる。
・UK系のアクセントに慣れるのに役立つ。(TOEICのリスニングは、結構アクセントを混ぜてくることが多い)
ただ、あまり刺激が強い動画や酷い目に合うのを見るのが嫌いな人は、少々閲覧注意。
Atsueigo:日米コンビの英語ネタYoutuber
日本人のAtsuと米国人のNickのコンビを中心に、色々な英語ネタを紹介したりいじったりコメントしたりするチャンネル。
二人とも日本語英語どちらも流暢なバイリンガルで、かつ英語ネタも「なるほど」と思えるようなポイントを突いたものが多い。
例えば上記で紹介している動画など「そういえば昔の映像に残ってる英語音声って、現代で普段聞く英語と違うよね」と薄々思っていることをネタとして拾っていて興味深く、口語調にも豊かなバリエーションと時代性があることを思い出させてくれる。
音声言語としての英語を捉えるうえで、非常に有効な動画チャンネルと言える。
Chubbyemu: 医療系症例紹介Youtuber
主に内科系の症例紹介をしている医療系Youtuber。
日本でいうとTV番組の『奇跡体験!アンビリーバボー』などで珍しい医療症例の紹介をするコーナーがあるが、内容的にはあれと同ジャンルと考えると分かりやすい。
ただ、真面目な解説、よく考えられた構成、人体のメカニズムを医学的・化学的にしっかり解説しているので、あのTV番組と並べるのは恐れ多いかもしれない。
比較的聞き取りやすい速度の英語で喋ってくれるし、発音も丁寧なのでありがたい。医学用語も解説を交えながら話してくれている。
・医療系なので英語に慣れている人でもわからない単語が出てくる。結構単語力も上がる。
・わからない単語が出てきたときに、周辺情報から落ち着いて類推する訓練になる。
Adventure Time(Cartoon Network)
Youtuberではないが、Adventure TimeはCartoon Networkで放映されているアニメ。
Youtubeでも断片的に視聴できる。
Adventure Timeは人間の子供Finnと魔法を使える犬のJakeの冒険を描く内容で、子供向けなファンシーな絵柄ではあるが、シュール要素やホラー要素、グロ要素、めんどくさい恋愛要素などもあり「これほんとに子供向けか?」と思わせるほど、大人もついつい観てしまう内容となっている。
Youtubeを見て面白そうだと思ったら、Cartoon Networkと契約して副音声(英語)で見てみると良い。
ハマる人は結構ハマると噂だ。
・自然な速度(そこそこ速い)で話すので、耳を慣らすことが出来る。
・子供向け(?)なので内容自体は平易。
・作品クオリティが高いので長時間視聴にも耐える。
Paolo from TOKYO: 日本紹介系Youtuber
浅草、神戸や秋葉原などといった「観光地で訪れる場所10選」や「デパ地下スイーツ10選」など、日本在住の外国人に向けた日本の色々なものを紹介しているチャンネル。
陽気なPaoloのキャラが魅力的だ。
「日本の美味いもん紹介」な色が強く、なにかしら食べていることが多い。食レポに使える英単語に無駄に詳しくなることができる。
・ゆっくりめにしゃべってくれるので分かりやすい。日本語字幕も付けてくれている。
・日本が撮影場所なので、馴染みがあり理解しやすい。
TEDx Talks
最後の5つ目に紹介するのは鉄板中の鉄板といえるTEDの動画。
TEDとは、TED Conferenceという世界規模の講演会を開催している団体で、多数の講演者が登壇している。
著名な学者や大統領なども登壇したことがある。
日本のビジネスマンの間でも、プレゼンテーション技術を磨くときの参考としてTEDの名前は常に挙がるほどだ。
ビジネスマンとしてもTEDは押さえておくのが良いだろう。
・今回紹介した中では、ビジネス英語に最も近い。