【SAP CO知識】原価要素について解説。一次原価要素、二次原価要素とは?

SAP CO

SAP COの原価要素について解説

原価要素とは

原価要素とは、原価センタや指図などのコストオブジェクトに費用を計上するために必要となるCO領域のマスタのこと。
原価要素には、一次原価要素二次原価要素がある。

一次原価要素(Primary Cost Elements)

通常の期中取引全般で転記される費用勘定や収益勘定のこと。
材料費、人件費、光熱費や減価償却費といった製造費用や、仕入や販売に関わる費用等が該当する。

FIモジュールにおけるG/L勘定のうちのPL勘定とほぼ同義だとイメージすればよく、コードも同じものを使用する。

一次原価要素は、まずFIモジュールで損益勘定(P/L勘定)として登録されていることが前提となる。一次原価要素の登録画面(Tr:KA01)は、FIのGL勘定コード登録(Tr:FS01)の画面からも飛ぶことができ、GL勘定の登録と同時に原価要素も登録できるような仕組みになっている。

二次原価要素(Secondary Cost Elements)

二次原価要素とは、CO内の処理のみで使用する、管理目的の勘定のこと。
配賦や決済を行う際に使用する。

配賦とは、コストオブジェクトに計上された費用を管理会計上で他のコストオブジェクトに分配することを指す。

具体的に言うと、例えば部門共通的に発生した費用(工場全体の光熱費や減価償却費など)は、工場内の各部門に一定割合で割り振っていく必要がある。(ここでは部門=原価センタ=コストオブジェクト)
これが配賦であり、COにおいてはこの処理の際に二次原価要素を使用する。

配賦については詳しくは以下記事を参照。

【SAP CO知識】実績配賦/計画配賦について分かりやすく解説。配賦周期、セグメントとは?
SAP COモジュールの配賦機能を使用して、原価センタに計上する費用の部門間(コストオブジェクト間)での配賦あるいは付替を行うことができる。 今回は配賦に関わる基礎的知識から、配賦の処理実行に必要な配賦周期、セグメントの設定方法、配賦の実行方法までを解説する。

各企業の管理会計の考え方にもよるが、勘定名は「加工費配賦」「開発費配賦」「労務副費配賦」など発生源が分かりやすいものとしてネーミングする。

“FIのG/L勘定”と”COの原価要素”の関係まとめ

FIのG/L勘定には、損益勘定(P/L勘定)と貸借対照表勘定(B/S勘定)があり、このうちP/L勘定が一次原価要素と対応する。

原価要素マスタの運用

原価要素の登録(Tr:KA01またはTr:KA06)

原価要素は一次原価要素と二次原価要素で登録トランザクションが異なる。

原価要素の登録
Tr:KA01 一次原価要素登録
Tr:KA06 二次原価要素登録

画面構成はほぼ変わらないが、それぞれ登録の入口が分かれているものと考えてもらえれば良い。
一次原価要素登録(Tr:KA01)は、FIのG/L勘定登録(Tr:FS01)の画面からも遷移できる。

・原価要素タイプについて
原価要素タイプは、原価要素の登録時に指定するパラメータで、これが一次原価要素か二次原価要素かを決定している。
一次原価要素の場合は、収益または収益削減、売上控除といったタイプを選択する。
二次原価要素の場合は、内部決済や配賦、内部活動配分を選択する。

原価要素の変更と照会

変更・照会については一次/二次原価要素ともに共通のトランザクションとなっている。

原価要素の変更・照会・削除
Tr:KA02 原価要素変更
Tr:KA03 原価要素照会
Tr:KA04 原価要素削除

原価要素の自動登録(Tr:OKB2、OKB3)

FIで特定のGL勘定コードマスタが登録された際に、一次原価要素を自動で登録する設定を行うことができる。

Tr:OKB2にて、自動登録する対象の勘定コードを、番号範囲として指定する。この際に、範囲に対して原価要素タイプも設定する。
そのレンジ内の勘定コードが登録された後、Tr:OKB3からバッチインプットセッションを登録する。

原価要素登録時の補足事項

GL勘定を追加した際には原価要素についても追加が必要か検討しなければならず、後述の原価要素グループへの追加も同じく考慮が必要となる。

本稼働しているシステムにおいては、GL勘定追加時の運用手順を定め、FI・CO双方での整合性が保たれるようにする必要がある。

原価要素グループ

原価要素グループとは

原価要素グループは、原価要素のグルーピングに用いる。
原価要素のグルーピングの必要性として、配賦設定の際に個別に原価要素を指定することなく、原価要素グループで一括で指定できることなどが挙げられる。(グルーピングを行うことで管理効率が上がると言える)

一例として、以下のようなグルーピングが考えられる。

原価要素グループ:動力費
・原価要素:電気代
・原価要素:ガス代
・原価要素:水道費
・原価要素:ガソリン代

原価要素グループのトランザクション

以下から原価要素グループの登録、およびそれに対する原価要素の追加が可能。

原価要素グループのトランザクション
Tr:KAH1 原価要素グループ登録
Tr:KAH2 原価要素グループ変更
Tr:KAH3 原価要素グループ参照

原価要素に関わるDBテーブル

CSKA 原価要素(勘定コード依存データ)
CSKB 原価要素(管理領域依存データ)
CSKU 原価要素テキスト

※参考
SKAT 勘定コードマスタレコード

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