【SAP知識】需要予測機能の解説(③運用編 品目需要予測と販売事業計画)

SAP PP・MRP

SAPの需要予測機能を運用するにあたり、各機能をどのようなフローで扱えばいいのかについて解説する。

SAPの需要予測は「品目需要予測」を使用するか「販売事業計画」を使用するかにより、フローが若干異なってくる。今回は、まず全体的なフローを俯瞰した上で、運用の各段階で必要とされるオペレーションなどを詳しく説明する。

なお、本記事の前提として、以下①モデル解説編、②設定編についてもご参照頂きたい。

【SAP知識】需要予測機能の解説(①需要予測モデル編)
SAPでは主に4つの需要予測モデルから、各品目や販売事業計画ごとに、どのモデルを適用するかを選択することが出来る。 4つの需要予測モデル ・恒常変動モデル ・季節モデル ・傾向変動モデル ・季節傾向モデル 今回はこれらのモデルについて、計算方法や実行時に指定するパラメータについて解説する。
【SAP知識】需要予測機能の解説(②品目マスタ・カスタマイズ設定編)
SAPの需要予測機能を使用する上で、前提となる各種設定(品目マスタ需要予測タブの設定、需要予測プロファイルおよびMRPタイプ等のカスタマイズ設定)について解説する。 設定内容は、需要予測機能のうち、「品目需要予測」を使用するか「販売事業計画」の需要予測機能を使用するかによって、設定箇所が異なる。

SAP需要予測

需要予測の俯瞰図

需要予測を開始するまで

俯瞰図の該当箇所
①品目マスタ登録
②品目の運用期間

需要予測を行うには、まず過去データの十分な蓄積が必要だ。
何もないところから根拠ある予測はできない

まずは品目を登録し、十分な運用実績を作る。
採用する需要予測モデルにより、必要な実績の期間は異なる。

・モデル毎に必要な期間

品目の運用実績(つまり出荷や消費の実績)は、消費値といって、各期毎にその数量が記録され、それが需要予測の根拠となる過去データとして用いられる。
消費値は移動タイプのカスタマイズの「消費転記区分」に基づき記録される。

需要予測の運用開始

品目需要予測を使用する場合

俯瞰図の該当箇所
③需要予測プロファイル、品目マスタ需要予測タブ設定
④品目需要予測実行(Tr:MP30)

品目需要予測を用いて需要予測機能を利用する場合、品目マスタの需要予測タブを予め設定しておく。品目数が多い場合は、品目需要予測プロファイル(Tr:MP80)も登録しておくと便利。

需要予測はTr:MP30から実行する
Tr:MP30の画面では、品目コードとプラント(またはMRPエリア)を指定して、予測実行画面に移る。
「実行」ボタンを押すことで、過去データと指定した予測モデルに基づく需要予測値の一覧が表示される。「修正需要予測値」の欄で手動で修正することも可能。

この画面で「保存」ボタンを押すと、この予測値は即座に所要量として反映され、MRPの考慮対象となる。(ただしMRPタイプの設定も関与する。即反映しないということも可能)

この需要予測結果の所要への反映は、所要量一覧(Tr:MD04)にて確認できる
MRP要素は、計画外所要であれば「UnplRq」などとなっている。

販売事業計画から需要予測を使用する場合

俯瞰図
⑤販売事業計画による需要予測実行(Tr:MC87)
⑥需要管理への転送(Tr:MC74)
販売事業計画(Tr:MC87)

Tr:MC87から品目・プラントを指定し、使用するバージョンを選択する。
計画バージョンは品目・プラント事に複数のバージョンを持つことが可能となる。(実運用上、あまりたくさん持ってても管理がしづらくなるだけだが)

計画テーブルの画面に遷移する。
計画テーブル上では、横軸が期(年月週日など)、縦軸が「販売」「生産」「在庫レベル」等となっており、期毎の計画数量を入力する形となっている。

この画面でメニューの【編集 >販売計画登録 >需要予測】を選択する。
需要予測の実行パラメータを入力し、需要予測を実行する。

この際の実行時パラメータについては別記事(①モデル解説編)にて詳述しているので、そちらを参照頂きたい。

需要予測を実行すると予測値の一覧が表示される。項目「修正予測値」から需要予測値の手動修正も可能。需要予測結果に問題なければ結果反映(チェックボタン)する

すると計画テーブルの画面に戻ってくる。
計画テーブル上の「販売」のラインに、需要予測値が反映されているはずだ。
PPモジュールを使っているのならば、この販売計画数をもとにさらに「生産」のラインにも生産計画数量を入力していく。

需要管理への転送(Tr:MC74)

立案した販売計画・生産計画を、所要量として反映させるためのトランザクションがTr:MC74
品目・プラント・計画バージョンをまず指定する。

次に転送方針を指定する。大きく分けて販売計画を所要に反映するのか、生産計画を所要に反映するのかを選択できるようになっている。
所要を反映させる期間も指定し、「転送」ボタンを押せば、所要量一覧(Tr:MD04)にて所要が反映されたことを確認できる。

需要予測に基づく所要管理とMRP

俯瞰図の該当箇所
⑦MRP(所要管理)

いったん需要予測からの所要量が所要量一覧内で確認できるようになった場合、あとは通常のMRPのフロー通り、納入されるべき期日・数量に基づいて、生産や調達の手配が自動的に生成される。

不足があれば在庫数量と照らしてMRPが計画手配や購買依頼を自動作成する。

消費実績は蓄積し続けるので、在庫管理・販売管理のプロセスと相互的に連携しながら予測精度を高めていくことを繰り返す。

需要予測に関連するトランザクション一覧

Tr. codeトランザクション名内容
MP30需要予測:実行品目単体の需要予測を実行
MP31需要予測:変更実行した需要予測の結果を編集
MP32需要予測:照会実行した需要予測の結果を照会
MP38一括需要予測の実行多数の品目の予測を一括実行
MPBT総需要予測:バリアント一括需要予測を実行する際の設定画面
MP80需要予測プロファイル品目マスタ需要予測タブのパラメータを登録
MC87販売事業計画 登録販売事業計画を登録
MC88販売事業計画 変更販売事業計画を変更
MC89販売事業計画 照会販売事業計画を照会
MC74計画データを需要管理へ転送販売事業計画で立案した数量を所要に転送

 

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