【SAP PP】PPモジュール担当者が業務理解のために読む本

SAP PP・MRP

SAP PP領域の担当になった、あるいは担当外ではあるがPPに関わる範囲の業務知識について知りたいという人のために、生産管理の良書をご紹介したい。

実際に工場勤務や生産プロセス改善などに携わったことが無いと、生産業務とはどのようなものかイメージしづらい。
業務理解のためには基本的には書物を頼ることになるのだが、生産管理やロジ領域の専門書は手に入りにくかったり、いつの間にか絶版になっていたりする。
大きめの図書館が近所に無い人は、欲しい本は買えるうちに買っておくことをお勧めしたい。

FI担当者が業務理解のために読む本の記事と同じく、多数の本をパラパラと読むよりも、今回も厳選した4冊のみご紹介する。

SAP PP担当者が業務理解のために読む本

生産マネジメント入門1 生産システム編

本書は東京大学経済学部で教鞭をとる著者が、経営学の一分野として学生に教えている「技術・生産管理論」の講義ノート40時間分がベースとなっている。

大学講義だけあって、生産管理の基本が網羅的かつ体系的に整理されており、しかもその一つ一つの知識に対して丁寧かつ難しすぎない文章で説明されており、抵抗なく読める。
図解や表、実際の事例の紹介などがふんだんに取り入れられており、こうした要素も非常に理解の助けとなる。

また、理論や知識の説明に終始せず、あくまで経営学の観点を踏まえた内容になっているので、PPコンサルタント的にも非常に丁度いい位置にある良書になっている。

The Goal

プロセス分析と制約理論についての名著であり、生産管理に携わる人間なら一度は読んでおくべき必読書と言える。

ビジネス書としてあまりにも有名すぎて、名前を聞いたことが無いという人はいないのではないだろうか?
ただ、「何だか敷居が高そう。ぶ厚いし」といって敬遠している人は一定数居るかもしれない。
しかし、それは非常に勿体ない
なぜならこの本は小説仕立てで非常に分かりやすく、物語としても楽しめる内容で、決して小難しいビジネス書ではないからだ。

『The Goal』の物語冒頭では、工場の所長を務める主人公のアレックスが、採算悪化のため本社から三か月後に工場閉鎖することを言い渡される。
三か月での立て直しなど不可能だと思われていたところ、アレックスが学生だった頃の「先生」(大学教授)との偶然の再会から、工場立て直しのためのヒントを得る。

この物語の導入だけでも「面白そう」と思ってもらえるのではないだろうか?逆境から立ち上がるビジネス小説(池井戸潤の作品とか)はいま大人気なので、その文脈で『The Goal』に触れると丁度いい。(というか、『The Goal』自体がそういう作品群の源流かも)

ぜひ巻末の解説まで読んでほしい。米国で数百万部のベストセラーになりながら、日本語には長い間翻訳がされなかった(禁じられていた)衝撃の理由については、ご自身の目で読んで確かめてほしい。

ロジスティクス工学 経営科学のニューフロンティア

経済発注量モデル、配送計画モデル、動的ロットサイズ決定モデル、需要予測モデル等々、ロジスティクスにおける各種モデルを解説した本で、数式の出てこないページがほぼないくらいの、理系学問に慣れていない方は少し眩暈がする内容となっている。

この本は、読破を目的とするのではなく、どちらかというと必要が生じた時にリファレンスとして活用するのが正しい。
ロジ領域の要件定義をしていると、たまに難解な内容に出くわすことがあるので、そうした時に該当する数式モデルについてじっくりと勉強するという使い方ができる。
勉強しておくと、「専門家に丸投げするしかない」みたいな事態も避けられるので、PPコンサルとして携えておくのもおススメだ。

花王の経理パーソンになる

FI担当者が業務理解のために読む本でも紹介したが、ここでもPP担当者向けにおススメしたい本なので改めて。

花王に経理部の新入社員として入社し、6年間を過ごすうえで学んでいく会社経理の知識と実務について書かれた本であり、内容的には工場経理(管理会計)が中心となっている。

BOMにしろ作業手順にしろ、あるいは実績計上にしろ、何がどのようにCOにつながっているのかという知識を持っておかないと、PPの理解としては片手落ちになってしまう。
逆に、COとの「つなぎ」がわかると世界が開ける感覚がある。

PP担当者ならCO担当者とやり取りする機会も多いので、仮にCO機能をあまり知らなかったとしても、この本に書かれている範囲の知識があれば十分に齟齬の無いやりとりができるようになる。
そうなれば周囲のチームにも「話の分かる担当者」と思ってもらえるだろう。

【本を買うなら電子書籍がおススメ】

電子書籍を使ってみたら社会人にはメリットばかりだった【徹底比較:Kindle unlimited vs Kinoppy】
社会人になると色々なビジネス書や参考書を読んで自己研鑽しようというモチベーションも高まります。そしてもちろん、収入を得て自由に使えるお金も手元にあり、学生のころ欲しかったマンガを大人買いしちゃったりもするでしょう。つまり社会人になると本をたくさん買うようになるのですが、社会人は電子書籍を導入することが断然おススメです。

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