仕入先マスタや得意先マスタの変更履歴を調べることはよくあると思う。
変更履歴自体は、それらのマスタ照会画面(仕入先ならTr:XK03、得意先ならTr:XD03)の画面上のメニュー⇒関連処理から見ることが出来る。
しかし、項目ごとに履歴表示する必要があったり、そもそも照会画面ではマスタ一個ずつしか見ることが出来ず、履歴全体を俯瞰したい時には少々都合が悪い。
そこで、今回は仕入先マスタ、得意先マスタの変更履歴を一括で表示する方法を解説する。
仕入先マスタ・得意先マスタの変更履歴を一括表示する方法
仕入先マスタの場合(Tr:S_ALR_87012089)
少し長めのトランザクションだが、Tr:S_ALR_87012089から仕入先の変更履歴を一括照会できる。
仕入先コード、変更者、変更日付で複数選択や絞り込みが可能だ。
更に、一般データ、会社コードデータ、購買組織データの表示非表示、およびそれらの組織コードによる絞り込み検索もできる。
出力管理の欄で、結果表示のソート順を指定できる。(変更日順、コード順など)
また、「技術項目名」「仕入先住所名称」にチェックをすることが該当の項目も表示されるようになる。
・出力結果画面について
変更のタイミングや新旧値、誰が変更したかなどが一覧で出力される。
残念ながらALV形式出力ではないので、ここからさらに加工する場合は若干不便かも知れないが、HTM形式やスプレッドシートで出力すれば、多少の工夫で加工は出来ると思う。
得意先マスタの場合(Tr:S_ALR_87012182)
こちらも画面構成含め、仕入先マスタの変更履歴一括照会とほとんど同じ。
得意先マスタの場合は購買組織ではなく販売エリアデータ(販売組織、流通チャネル、部門)を検索条件に含めることが出来る。
補足:品目マスタの場合(Tr:MM04)
品目マスタの変更履歴を確認する場合、Tr:MM04が使える。
組織や変更日で検索を行うことが出来る。
ただ、品目コードをまたいだ一括検索はできず、結果画面のレイアウトもほぼTr:MM03の個別照会と変わらない。
組織やビューに依存せず特定品目の変更履歴を調べたい場合に使うトランザクションとなる。
テーブルから照会したい場合(テーブル:CDHDR、CDPOS)
SAPのトランザクション変更履歴は、テーブルCDHDR(ヘッダ)、テーブルCDPOS(明細)に格納される。
変更トランザクションとともに記録されるので、たとえばTr:XD02で検索することで変更履歴を抽出するというアプローチも取れる。
ただし、マスタ情報に限らず様々な変更履歴が格納されているため、かなり巨大なテーブルで効率的な検索キーも取りづらいので、この変更履歴テーブルに対して検索をかけに行くような局面はなるべく回避したい。
SAPの基礎を学びたい場合の参考書
・図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用
初学者がなぜかみんな行き着いて買っている本がこれ。モジュールを広くカバーしており、まずSAPの全体感を掴むという意味では有効だ。
SAPの参考書事情については以下の記事もご参考に。