資格なんて取っても無駄、という言説は多い
ぶっちゃけ資格って取った方がいいんですか?
巷では取った方が良いとか取っても無駄とか、色々言われすぎて混乱している人も多いだろう。
だが私は、資格は絶対に勉強するべきだと思う。
物事を体系的に学習することは、ビジネスパーソンにとって欠かせないものだからだ。
そして資格とは、その背景にある実務に必要な範囲の知識を網羅するように学習範囲がデザインされており、体系的な学習をしたい時には最適なものであるからだ。
とはいっても、勉強めんどくさいし時間もないし……。あと取らなくてもいいと言っている人もいますよね。
たしかに資格は不要と言っている人も多い。
例えばこういった動画があるので、ご紹介しよう。
チャンネル名:『マナブ』さん
なるほど、エンジニアであれば自分の腕一本で勝負するわけですから、アウトプットしてこそ一人前で、肩書のための資格勉強なんかよりそちらに注力すべきですよね。
その通りだ。
あれ、みる子さんは資格勉強をおススメしているんですよね。
不要論に同意するのですか?
この話をするにはまず前提から整理しなければならない。IT業界には大きくSIer系企業とWeb系企業の二つがある。そして、Web系企業では資格取得を推奨している企業は少なく、したがって就職・転職でも有利になることがなく、重視されない。
前掲の動画はエンジニア(=Web系企業の技術者の呼称)向けとなるので、「資格取得よりも優先すべきことは山ほどある」ということだ。
ここで重要なのはIT業界の技術者にとって、資格取得は年収アップにつながるのか?という視点だ。Web系企業ではIT資格を取ることは年収アップとリンクしない。
Web系企業ではなぜ資格が重視されないのでしょうか。
Web業界では技術の流行り廃りが早く、特定資格が権威を持つことがないことと、評価されるのはエンジニア本人の技術力がメインであるため、肩書としての資格はあまり意味をなさないためだ。資格があるからって技術力が高いとは限らないからな。
そうなるとやっぱり、ぼくも資格勉強はしなくていいってことですね。
ところがそうではない。ペンちゃんはSIer企業勤めなので、業態が違うから前提も変わってくる。
SIer企業ではWeb企業ほど技術者個々人の技術力は評価されない。たとえば、ペンちゃんの仕事では、自分のプライベートの時間を使ってまで勉強し最新技術にキャッチアップしないと職を失いかねないほど、技術力が重要とされているだろうか。
いやー、そうでもないですね……。残業と休出ばかりで、プライベートの時間もあまり無いですが……。
そういうブラックな感じもSIer企業の特徴ではあるが、SIer企業とWeb企業の違いはまた別途解説しよう。
SIer企業では、最新技術ではなく枯れた技術を使って、公共系やインフラ系など大規模かつ安定したシステムを構築することを目的とすることが多く、技術力に大きなバラツキのないプログラマーが大人数で開発にあたる。技術者個人が突出した最新技術を持っていたとしても、それが活かされる業態ではない。逆に、最新技術の勉強などサボってもそうそうクビになったりはしない。
うーん、そういえば、ぼくの会社(SIer)は資格取得を推奨しています。半年に一度、強制的に情報技術者試験を受験させられますよ。自費ですけど……。
SIer企業では資格取得を推奨している会社が多く、資格取得に対して報奨金や資格手当が出る場合もあるし、半年に一回の試験費用を会社が負担することで試験参加を半ば強制していることもある。さすがに自費ってのは酷いし、レアケースだが……。また、大手SIerには、社内で持っている教育システムの中に情報技術者試験の対策講座などが組み込まれているところもあるぞ。
Web系と比べると相当違いますね。資格報奨や資格手当があるなら、それは技術者の年収アップにつながりますよ。でもなんでSIerはそんなに資格取得を推奨するのでしょうか。
資格保持者の多さ(例えばSAPコンサルタントといったベンダー資格の取得数)を技術力の高さの根拠として、顧客提案時にアピールポイントとしやすいからだ。資格が他社との差別化要因になりうるし、他にもシステムエンジニアの単価交渉時に資格を根拠にプラスアルファの値上げが可能だからだ。
Web系は自社サービス開発がメインで特定の顧客がいない(TwitterやFacebookをイメージすると分かりやすい)ですから、顧客への提案作業とか顧客に対する単価交渉とかは無いですよね。
そうしたら、SIer系企業は資格を取るべきで、Web系企業は資格を取らなくていいって結論なんですね。
ところがどっこい。私の結論は、SIerだろうがWebだろうが資格勉強はするべき、というものだ。
なんと!?
そもそもSIerとかWebとかいうIT業界内の垣根も関係ない。IT業界に限らず、あらゆるビジネスマンにとって資格勉強というのは必要なものだ、ということをこの記事では説明していく。
あらゆるビジネスマンにとって資格勉強は必要なもの……スケールの大きい話になりましたね?
ただ、その結論の根拠を説明する前に、少し寄り道しよう。ペンちゃんはIT資格はどういったものがあるか、知っているだろうか。
うーん、実はよく知らないです。
IT系資格はざっくりこんな感じになっている。
【みる子ノート】IT系資格のざっくりした例示 ・情報処理技術者試験(国家資格) 基本情報技術者 応用情報技術者 高度情報処理技術者(DB、NW、PMなど) ・ベンダー資格 Oracle Master シスコ技術者認定(CCNA・CCNP・CCIE等) SAP認定コンサルタント(FI、MM、SD、NetWeaver等) マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP・MCSE等) ・プログラミング言語系資格 Java SE 11 認定資格 C言語プログラミング能力認定試験 Ruby技術者認定試験 ・その他 LPIC G検定(AIに係る資格) PMP ITILファンデーション
数が多いので分類が難しいが、IT業界に居てよく聞く資格を例示してみた。
ベンダー系の認定資格とか結構たくさんあって、何が何だかわからないですよね。
そうだ。まさに数が多すぎて何が何だか、という感じだ。
そして、多くの資格は実務能力に直結しないし、そもそも「この資格を持っていれば安定して仕事が来る」なんていうこともない。
したがって、資格勉強する暇があるのなら、エンジニアの本分であるアウトプットをしっかり行うことこそが、エンジニアとしての価値を高める手段なのであって、資格などに頼っても仕方がないということだ。
資格不要論はまさにここが論点となってている。
なるほど……。
フリーランスで純粋に自分の腕一本で食っていかないといけない人は、そこは最も重視するポイントだ。
もっというと上記で挙げた資格に業務独占資格は無い。つまり、取ったら即ち安泰なものなど何一つない。
えーと、じゃあやっぱり資格って不要なんじゃ……。
いや、先ほども言った通り、Web企業でフリーランスをしているのではなく、SIer企業の会社員をやっているならば意味のある資格もある。
会社勤めのプログラマーは、組織化されたチームの上流工程から降ってきた設計を実装するだけなので、ひたすらアウトプットをしたとしても個人の技術力を高める経験にはなりにくい。そして、SIer企業では、年収決定や人事評価に、純粋な技術力以外の力学が大いに働いている。
なるほど。ぼくなんか9年間ひたすらアウトプットしていますけど、最新技術の事はさっぱりです……。
したがって、ここでの「ひとまずの」結論は、【SIer企業の会社員ならIT系資格はほどほどに取っておけばいい】となる。
基本・応用情報くらいは取っておいて、高度情報やその他の資格は、余裕があったら自身の興味のある範囲で取ればいい。
そしてIT系資格が年収アップに直結するか、というと、SIer企業では単価や昇進に考慮される場合もあるが、高度資格の複数持ちでない限り正直微妙、という評価だ。
一方そのようなものはWeb企業では腹の足しにならないので、実に費用対効果が低く魅力に乏しいものとなる。
ぼくはWeb系のフリーランスになって腕一本でバリバリやれる気がしないので、今後もしばらくはSIerの会社員で居ると思います。
そういう人は、少しは取っておいた方がよさそうですね。
と、まあ、今までのは前置きで、いよいよ本題に入るわけだ。SIer系、Web系という括りに関係なく、IT業界かどうかも関係なく、すべてのビジネスを志す者は資格勉強をするべき、という話がこの記事の本論となる。
おお~、実に長い前置きでしたね。
この記事で本当にお伝えしたいことは、真に年収アップにつなげるための資格とは何か?ということだ。
そして、真に年収アップにつながる資格は、IT資格のくくりの外に存在するということだ。
IT資格のくくりの外に!?
真に年収アップにつながる資格とは
当ブログがおススメする資格はこれだ。
真に上級のビジネスパーソンになりたいなら、ぜひ押さえておくべきものと言える。
ターゲット層: ・上級のビジネスパーソンとして幅広い活躍をしたい人 取得すべき資格: ・簿記(2級、出来る人は1級) ・英語(英検、TOEIC、TOEFL等) ・中小企業診断士
おおー、IT資格とは関係がなさそうなのですが、技術者もこれらの資格を目指すべきなんですか?
その通り。これには理由がある。
まずIT資格というのは、IT業界というくくりの中での価値証明のために使われるものだというのはわかるな?
そうですね、自分はどのベンダー製品を扱えますとか、ネットワークがわかりますとか。
IT技術者という母集団では、各々が価値証明のためにIT系資格取得のために行動するので、母集団内にIT資格を持つ人間が既に多く存在しているわけだ。
人材価値の要素として「希少性」が重要であるという話をしたが、IT資格を以てIT技術者の母集団の中で希少性を発揮しようとすると、多大な労力が必要となってしまう。
高度情報資格をたくさん持ってる人って実は結構居ますからね……。
しかし、IT技術者で尚且つ、別分野の資格を持っているとしたら、その人の希少性はどうだろうか。
例えば「英語が出来るIT技術者」であれば、外資や海外の案件も獲得できるようになる。
履歴書の資格欄に分かりやすく書ければ案件獲得に困ることはないどころか、希少価値がある分、単価アップも難しいことではない。
そういった意味で、IT技術者は、IT資格以外の分野に目を向けることによって、自らの人材価値を大幅に高めることが出来る
おおー、なるほど。
IT技術者は、IT以外の資格を取ることで、希少性を高めることが出来るのですね。
その通り。
それでは、なぜこれらの資格が有用であるのか、一つ一つ解説していこう。
簿記(財務会計)
簿記資格も、人によって取った方がいいと言ったり、「無いよりはいい程度だ」と言ったりする人がいたりしますね。
「無いよりはいい程度」とか言っている人は、簿記学習の真の価値を理解していない。
簿記とは会社が保有するあらゆる「価値」の動きを金額(カネ)で表現するもので、カネとは会社の血肉そのものだ。これが循環して会社は初めて生命を得るものであり、循環が滞ると病に陥る。会計を知ることは、会社を知ることでもある。
以前にみる子さんは経営資源(ヒト・モノ・カネ)の話をしていましたね。
カネは経営資源の一角を担う重要な要素ということで、それを理解して初めてビジネスも理解できるのですね。
うむ。例えばビジネスを理解するということは顧客の要件を理解することでもあり、SIer企業で上流工程を担当するなら顧客要件理解は不可欠だ。
そもそも複式簿記の歴史は古く、15世紀以前に成立して以来、その姿をほぼ変えずに現在まで続いており、その会計理論は500年以上の蓄積と変遷を経ているものだ。
取引の二面性に着目し、「貸」「借」という2つの側面からあらゆる価値の移動を説明可能とする複式簿記は、その美しさからドイツの作家ゲーテをして「簿記は人間精神のもっとも立派な発明」とその著作の中で言わしめている。また、ケンブリッジ大学の数学者アーサー=ケイリーは「複式簿記の原理はユークリッドの比の原理と並ぶ、完全科学のうちの一つである」という主旨の言葉を遺している。
難しい話が始まった。
15世紀といえば、大航海時代の始まりであり、交易ルートの拡充に伴う商業の急速かつ世界的な発達が起こった。17世紀には東インド会社が成立し、そこで初めて株式が発行されたといわれている(株式会社の成立)。資本主義というのはこれらの準備期間を経て形成され、18世紀後半の産業革命によって成立したのだ。そして、利潤、費用、資本という概念を体系的に説明を可能とする複式簿記は、資本主義にとって密接かつ必然的な関係が結ばれていると言えるだろう。アメリカの経済学者シュンペーターは「複式簿記は資本主義の高くそびえる記念塔である」ということも言っている。
(寝そう……)
寝るなよ、ペンちゃん。
寝てません!でも、簿記が人類史の中に組み込まれた重要なものだということは理解しました。
そして、ビジネスの本質を理解するうえでも重要だし、えらい人たちが簿記スゴイって持ち上げてるのもわかりました。
……まあ、そんなとこだ。
簿記について「経理部でもないんだから、必要ないだろ(笑)」なんて言っている人が論外だということはわかってもらえただろうか。
じゃ、次行こうか。
英語(英検・TOEIC・TOEFLなど)
これは言わずもがなというか、ぼくもわかりますよ。
英語できるビジネスマンってかっこいいですよね。
まあ、簡単に言うとそういうことだ。
履歴書にTOEIC800以上の点が書かれていれば、日本人相手なら「おっ」と思ってもらえる。
外資系案件に技術者を売り込む際にも大きなアドバンテージになるから、単価も上がるし市場も広がる。
日本人は英語が出来る人が少ないので、ITがわかっていて英語が出来るとなれば、それは大変な希少性を発揮するぞ。
英語でバシバシ会議を捌く姿を見たら、日本人の感覚では「この人、年収高そう」ってなりますよね。
その通り。IT技術者にとって、英語が出来るということはチャンスが大いに広がる。
最近は小学校にも英語教育が組み込まれてきたが、まあ、日本人の英語苦手具合は今後も十年単位で変わることはないだろう。
そういえば、プログラミングも小学校の教育課程に導入されたらしいが、まあ、教育内容を見ていると英語もITもどっちも出来ない人を量産するにとどまるだろう。
なにしろ、それらの上質な教育者が圧倒的に少ない。
日本の未来は暗いんですかねー。
そうは言わないが、まあ、周りの平均レベルが低いということは、逆を言えばそこから抜きん出るチャンスが大いにあるということだ。
いまから本気で英語を勉強してみては如何だろうか?SIer案件ならバイリンガルの上流工程担当なら相当な高値で売れるし、Web系エンジニアもいつか英語能力を今以上に求められる日が来るかもしれない。技術書なんかはもとより英語であるし、楽天なんかも社内公用語を英語にしているらしいしな。
中小企業診断士
これはなんでしょう?あまり聞かない資格ですね。
知らない人は知らないだろうが、知っている人はその価値をよく知っている。
中小企業支援法を根拠とする国家資格で、当ブログが断然お勧めするのは中小企業診断士資格の取得だ。
中小企業診断士こそ、ビジネスマンにとって仕事の品質を上げ、希少価値を上げ、仕事を楽しくし、年収アップにもつながる、超有能資格だと言える。
多くのビジネスマンは、これを勉強することで働き方は大きく変わることになるだろう。
そんなにすごい資格なんですか。
なにしろ経営についての勉強、すなわち「ヒト・モノ・カネ」についての勉強であり、上流のビジネスマンを目指す人にとって必要な知識ばかりが詰まっている。
また、履歴書に書けば絶対にアピールポイントになるし、上司や役員、会社規模によっては社長からすら一目置かれるだろう。
な、なるほど。しかも士業資格っていうところも、ちょっとかっこいいかも。
まずこれを持っていれば底辺仕事から解放されるし、管理職候補にもなる。絶対にお勧めだ。
中小企業診断士については別記事でまとめよう。
ちなみに、中小企業診断士一次試験でも、財務会計はきっちり組み込まれている。
簿記や会計の重要性というのが表れていますね。
この資格を志す人のボリュームゾーンは主に30~50代の人々で、管理職になったので経営知識を得るために勉強を始めた、という人が非常に多い。そして受験者はあらゆる業界から来る。このことも、中小企業診断士がビジネスについての勉強であることを示唆している。
ビジネスパーソンにとっての資格勉強の重要性
IT資格ばかり志向していては、「IT業界の中の人」になってしまう。しかしIT自体が若い業界だ。一方、本来ビジネスというものは古くからあり、そして広大な奥行きのあるものだ。
IT分野だけでなく、ビジネスの視点で仕事をすることにより、狭い見識から抜け出し真のビジネスパーソンになることが出来る。
ITとビジネスの双方に強い人材となれば、それは最早、一流のビジネスパーソンと言って過言ではない。そして、いまIT技術者をやっている人はだれしも、そのような人材になれる可能性があるというわけだ。
資格を取るということは、肩書を得ることではなく、その資格を得ることによって自分のビジネスパーソンとしての活躍の場を広げることが出来る。底辺仕事から解放され、上流のビジネスマンとしての経験を積んでいくことが可能になるわけだ。
その経験を得る機会を増やしてくれるのが、資格というわけだから、もはやIT業界かどうかも関係なくビジネスマンであれば志すべき勉強ということになる。
IT外の資格取得がIT技術者にとって希少性獲得やビジネスの理解の助けになるということはわかりました。
しかし、Web系エンジニアにとってもIT外資格が必要な理由がいまいちわかりません。彼らは技術力で勝負するエンジニアで、評価の主軸もそこにありますから、そういったビジネスを理解するための資格勉強をしたとしても活かす機会がないんじゃないでしょうか?そもそも、すでに最新技術にキャッチアップするための勉強を結構していますから、更に追加で勉強するっていうのも難しいんじゃないでしょうか。動機づけも薄いですよね。
いまWeb系エンジニアをバリバリやっており、技術力も高いという人は、IT外資格の勉強に手を出すことは技術面の成長を妨げることになりかねず、人材価値を損なう可能性が高い。
よって「今は」必要ないといえる。しかし、「その後」を考えてほしい。Web系企業のエンジニアの年齢層は20代・30代が非常に多いが、それ以上の世代になるとエンジニア人口が減る。その年齢層になると独立起業したり、管理者になったりするためだ。つまりビジネスを扱う側になる。そして、優秀な技術者だった人が優秀な経営者やビジネスマンになるとは限らない。その年齢に達した時に、ビジネスについて考えをめぐらすときに、資格勉強をすることが選択肢となる。
会社経営を始めようというときに、会社についてあまり知らないと苦労しそうですね。あと、中小企業診断士は30~50代の人が管理職になった際に、会社経営のことを勉強するために志す資格ということですから、まさに適した勉強かもしれません。
逆にSIer系企業にもう一度話を戻すと、SIer企業の若手社員は「今すぐ」中小企業診断士を勉強して損はない。技術力よりもビジネスパーソンであることを評価される傾向にあるし、上流工程の方が単価が高く、出世を見越しても強力な資格となるからだ。
最後に。資格取得の目的としてダメなパターン
この資格を取っておけば、みんなが能力を認めてくれるし、仕事も安定して入ってくるなんていうものはない。
だが、そこを志向して資格を目指してしまう人は結構いる。そういうのはダメな思考パターンだ。
まあ、水戸黄門の印籠みたいなものと勘違いしてますよね。
独占業務資格、つまり弁護士や会計士、税理士などはそういうものと言えるかもしれないですけど。
それらにしたって案件獲得のための営業力は必要だし、そもそも難易度が一般的なIT資格とは桁違いですもんね。
そうだ。資格はこれさえあれば大丈夫、というものではなく、資格を現在のスキルと組み合わせて戦略的に利用することで、その人のオリジナリティ(=希少性)を生み出し、かつビジネスの課題解決につながる(=有用性)ような活用方法を生み出すためのものだ。
資格に頼るような思考では、資格をどう活用するかといった考え方には至らないだろう。そういう人は資格を取っても、面接で「なんだかなあ」と思われるだけで終わる。
そういう人には資格は不要だから、まずはマインドセットの改革から始めよう。
なるほど……よくわかりました。
結局は自分の価値をどう発揮するかを考えなければ意味ないんですよね。
それがわかったら、今日はここまでにしよう。