【SAP PP知識】繰返生産について分かりやすく解説

SAP PP・MRP

繰返生産(Repetitive Manufacturing)機能は、SAP標準で用意されている生産管理機能の一つで、少品種大量生産の製造ラインの要件に対応した、効率的なシステム入力を可能としているシナリオだ。

今回は繰返生産機能の用途、運用およびカスタマイズ、マスタ設定等について解説する。

繰返生産について分かりやすく解説

繰返生産の用途

繰返生産とはその名の通り、反復的かつ継続的に生産を行うことで、少品種大量生産かつ工程変更や仕様変更が少ない製造ラインで行われる製造形態を指す

安定的に供給される、需要変動が激しくない製品群に向いている。一方、多品種少量生産や、生産の都度原料や工程の調整を行うような生産シナリオへには適用すべきではない。

SAPにおける繰返生産の概要

SAPにおける繰返生産機能では、製品原価コレクタ(Product Cost Collector)(Tr:KKF6N)を登録し、実績は製品原価コレクタに集積されていく。

実績計上は計画手配を指定し実行する。繰返生産の実績計上(Tr:MFBF)では、原料はBOMに登録した数量に基づき、バックフラッシュにて理論値での消費を行う。これにより効率的な実績入力が可能となっている。

組立生産との違い

組立生産では製造指図を使用するが、繰返生産においては製造指図を使用せず、計画手配のみ。

また、組立生産では製造指図上や実績計上時に原材料の消費を調整したり、実際に発生した作業時間の入力を行うが、繰返生産では原材料消費・作業時間がほぼ変動せず安定している大量生産品を前提とし理論値によるバックフラッシュを用いる

よって、組立生産機能は多品種少量生産や、受注後に仕様が確定する形態の受注生産にも対応可能だが、繰返生産はそれには向かない。

また、生産作業を登録するマスタとして、組立生産では「作業手順」を用い、繰返生産では「レート作業手順」を用いる。(ただし繰返生産でも「作業手順」を使うことができる)
作業手順とレート作業手順の違いについては後述する。

組立生産は通常、指図別に原価把握をするが、繰返生産においては期間別の原価把握となる。

繰返生産のシステム設定

カスタマイズ

繰返生産プロファイル(Tr:SPRO)

繰返生産プロファイルは、以下より設定する。

Tr:SPRO >生産計画/管理 >繰返し生産 >管理データ >定義:繰返生産プロファイル

繰返生産プロファイルでは、主に以下のようなパラメータを設定する。
・入庫と同時に原材料のバックフラッシュを行うか
・レポートポイントバックフラッシュを使用するかどうか
・作業転記の有無
・エラーの後処理レコードを生成するか
・計画手配の削減に係る挙動
・実績計上の入出庫に伴い使用する移動タイプ

繰返生産プロファイルは品目マスタのMRP4ビューにて指定する

指図タイプ(Tr:KOT2)

製品原価コレクタの指図タイプを登録する。(繰返生産用の指図カテゴリを指定)
Tr:KOT2は全てのカテゴリの指図タイプが表示されるが、Tr:KOT2_PKOSAを使えば繰返生産用の指図タイプのみに限定できる。
このカスタマイズでは決済プロファイルなどのパラメータを指定する。

この指図タイプは、製品原価コレクタを登録する際に指定するパラメータとなる。

マスタ設定

品目マスタ(Tr:MM01)

品目マスタで繰返生産関連のパラメータを設定する。
MRP4ビューの以下の項目に値の設定を行う。

・繰返生産フラグ
・繰返生産プロファイル

BOM(Tr:CS01)

製品製造に必要な原材料を定義するマスタとして、BOMを登録する。
繰返生産の実績計上では、BOMに登録された数量見合いで原材料が理論値で消費される(バックフラッシュ)。

レート作業手順(Tr:CA21)

製造作業を定義するマスタとしてレート作業手順または作業手順(Tr:CA01)を登録する。
レート作業手順と作業手順の違いについては、以下記事を参照。

【SAP PP知識】「レート作業手順」と「作業手順」はなにが違うのか?
SAPのPP(生産管理)機能では、生産作業の手順・内容を登録するマスタがいくつか存在し、その中でも名前のよく似た「作業手順(Routing)」と「レート作業手順(Rate Routing)」というものがある。 今回は「レート作業手順」と「作業手順」のそれぞれ特徴について説明する。
製造バージョン(Tr:C223)

製造バージョンの登録では、対象品目の製造を行うためのBOMとレート作業手順(または作業手順)の組み合わせを登録する。

製品原価コレクタ(Tr:KKF6N)

製品原価コレクタは品目単位・期間単位で原価を把握・分析可能なコストオブジェクトであり、製造の実際原価を集積する役割を持つ。予定原価の見積もりおよび差異計算が可能。
繰返生産の場合、製造実績は製品原価コレクタに集積する。

繰返生産の運用

計画手配の登録

計画テーブル(Tr:MF50)、MRP(Tr:MD01等)、あるいは計画手配の直接登録(Tr:MD11)などを通じ、必要な製造数量に応じた計画手配を登録する。

繰返生産確認(バックフラッシュ)(Tr:MFBF)

計画手配に対し製造実績を計上する。
入力した実績数で製品が入庫され、出来高に応じたBOMの数量見合いで原材料が引き落とされる。
(あらかじめ、製造保管場所に原材料を補充しておく必要がある)

入出庫エラーの後処理(Tr:COGI)

自動入出庫を設定している場合、バックグラウンドで入出庫のエラーが起きる場合がある。
この場合、原材料が正しく消費されていないといった状況が発生しており、少なくとも会計締めまでには入出庫エラーのリカバリが必要となる。

自動入出庫からのエラーレコードの後処理(Tr:COGI)にて、自動入出庫に伴い発生したエラーの一覧および、それの後処理として入出庫処理の再実行ができる。

少なくとも月次でTr:COGIにエラーが残っていないかを確認する。

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