長らく景気が停滞している日本にあって近年、対価に見合わない過剰な労働を強いるブラック企業が大きな社会問題になっている。
長時間労働、苛烈な感情労働、ハラスメントの横行……。
労働者はいかにしてブラック企業問題に立ち向かうべきか?ということを教えてくれる、大人が読むべき『ブラック企業・ブラック労働』を題材にしたおススメの漫画をご紹介する。
これを読んで、労働者は「自分の人生」を思い出してほしい。
なお、心身を壊す前に、自分にとってブラックな環境と思ったらすぐに逃げ出しましょう。逃げられないときはとにかく他人やプロ(特に法律家)に頼りましょう。
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ブラック企業をテーマにしたおススメ漫画
さよならブラック企業 働く人の最後の砦「退職代行」
いままさに、仕事で追い詰められている人に読んでほしい作品。
『耐えていればいずれ報われるなんて考えは…自分を殺すことになる』
不動産営業会社の契約社員・水城リコは、ノルマがきつくスパルタなブラック職場で、心身ともに疲弊していた。人としての尊厳を徹底的に叩き潰してくる職場で、健気に頑張り続けた結果、電車の中で突然号泣し始めるほどに追い詰められていた。
そんな時に出会ったのが、弁護士の不知火基子。彼女との出会いで、人生の選択肢が無数にあることを思い出すことができた水城は、ついにはブラック企業に一矢報いた上で決別を果たす。
会社を退職した水城は、弁護士の不知火が務める事務所に事務員として採用され、不知火とともにブラック企業の撲滅を目指し新たな人生を歩み始めるのだった。
パワーハラスメントを「する側」にも焦点を当てて描写しており、パワハラ上司などの特定の個人をやり込めただけではブラック労働問題は解決しないという問題提起にもなっている。労働問題の核心に迫る作品。
⇒第一巻を読む:さよならブラック企業 働く人の最後の砦「退職代行」(1) (ヤングキングコミックス)
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弁護士ドットコムの「身近なトラブル相談室」マンガで解決! ブラック企業
有名な法律相談サイト『弁護士ドットコム』が保有する豊富なナレッジをもとに、ブラック企業に対して労働環境改善のためにいかに戦うべきかを、漫画で分かりやすく解説している。
ストーリー仕立てになっており、法律に詳しくない人でも十分に読める内容となっている。
この本は「企業コンプライアンス編3」となっており、企業コンプライアンス編 1 マンガで解決!パワーハラスメントも併せて読みたい。
⇒この漫画を読む:弁護士ドットコムの「身近なトラブル相談室」マンガで解決! ブラック企業―企業コンプライアンス編3
ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~
ブラック企業に勤めていた主人公が、世界にゾンビで崩壊したことをきっかけに、「人生で本当にやりたいこと」を100のリストにし、一つ一つ達成していく漫画。
100のリストには、「日本一周をする」「オーロラを見る」「温泉でゆっくり」などが挙がっており、社会人をやってたら、ましてやブラック企業に勤めていては、なかなか出来ないことだと思うものばかり。
しかし、やっぱり自分の人生なのだから、やりたいことをやりたい。
ブラック企業のパワハラやキツイ言動、拘束、そして人としての尊厳を奪うかのような労働観。
それでもなぜか唯々諾々と従ってしまう、思考も抵抗力も奪われた労働者たち。
そんな中にいた主人公だったが、ゾンビ(人としての死)によって世界が崩壊したことで、自分の「人としての生」に目覚めるという、なんともテーマ性が効いた、レベルの高い漫画だ。
これを読んで、すべての労働者は自分の生を思い出してほしいとすら思う。
⇒第一巻を読む:ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~(1) (サンデーGXコミックス)
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迷宮ブラックカンパニー
勝組セレブニートだった主人公は、とつぜん現代から異世界に転送されてしまう。
ダンジョンから産出される資源を採掘する会社で鉱夫として働き始めた主人公だが、そこは死ぬほどノルマがきつく低収入なブラック企業だった。だが、主人公はある日偶然ビジネスチャンスを見付け、それを機に強引すぎる手法と類稀なビジネスの才覚で成り上がっていく……というストーリー。
主人公の強引ながらも痛快な姿が魅力。一介の労働者であっても、やり方次第ではブラック企業にも抗うことができるのだ、ということを思い出させてくれる。
⇒第一巻を読む:迷宮ブラックカンパニー 1巻 (ブレイドコミックス)
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カネが泣いている
えげつないブラック労働を強いる企業と、心優しい現場管理者がせめぎ合う作品。
銀行から消費者金融に転職した主人公が、会社からのキツいノルマに追われながら、借金の取り立てをするストーリー。
善良な主人公と、様々な理由でお金を返さない/返せない人々の人間模様が描かれ、暗い雰囲気ながらも引き込まれていく作品。ブラックな労働は企業単体で作り出されるのではなく、業界構造や顧客との板挟みといった環境によって引き起こされるのだということも思い出させてくれる。
⇒第一巻を読む:カネが泣いている(1) (モーニングコミックス)
⇒Kindleでまとめ買い:カネが泣いている
なれる!SE
SIer業界の悲しき現実を忠実に、かつおもしろおかしく、かつ残酷に描き切った傑作ラノベのコミカライズ版。
主人公である桜坂工兵が新卒でスルガシステムという中小SIerに就職するところから始まる。
しかし、スルガシステムは現場無茶振り、丸投げ、デスマ、暴力(?)の横行する超絶ブラック企業だった……。システムエンジニアであれば、このラノベに書かれている題材はほぼ必ず経験していると言えるほど、業界ネタを豊富に描写している。
ブラック労働を笑いにするというのは、今現実にブラック企業に務めている人には不謹慎に感じるかもしれない。
しかしこの漫画は、かつて過酷な労働環境で死と隣り合わせにあった炭鉱夫たちが歌った労働歌、黒人労働者たちのWork Song、いつ海に転落するかの危険と隣り合わせにあった漁師たちの網引き歌の延長にある、システムエンジニアたちのそれであるようにも思える。
⇒第一巻を読む:なれる!SE(1) (ファミ通クリアコミックス)
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いきのこれ!社畜ちゃん
残業、休日出勤、理不尽な人間関係、やりがい搾取。システムエンジニアあるあるを描いた四コマ漫画。とにかくあるあるネタが詰め込まれている。
⇒第一巻を読む:いきのこれ! 社畜ちゃん(1) (電撃コミックスNEXT)
⇒Kindleでまとめ買い:いきのこれ! 社畜ちゃん
死後の世界でも死ぬまで働く話
なんという不吉極まりないタイトルだと思われるかもしれないが、「死んでなお搾取される」という内容ではなく、その逆のストーリーとなっている。
仕事に感謝され褒められること、美味しいご飯を食べること、人の役に立つこと、優しい職場やチームに歓迎されること。
ブラック労働で疲弊しついに飛び降りをしてしまった主人公への、心の救済の物語が描かれる。
⇒第一巻を読む:死後の世界でも死ぬまで働く話 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスpixiv)
⇒Kindleでまとめ買い:死後の世界でも死ぬまで働く話