好景気を維持している米国、経済成長の最中にある中国を傍目に、日本は長らく経済成長が停滞している。
人口ピラミッドは今や高齢者が最も多く、若年になるに従って萎んでいく逆ピラミッド型を描いている。
税金や社会保険料は上がっており、ここ15年で手取り収入は下がり続けている。
近年の働き方改革の流れでは、残業が減らされることにより総収入の低減、更には2020年4月から施行の「同一賃金同一労働」制度により正規労働者と非正規労働者の差は縮まる。
こうしたなか、正社員の食い扶持を企業が維持できなくなり、大企業はリストラを推進し始めた。
に、日本の未来が……。
まずは現実を見るために一つ一つを直視しよう。
・各国GDPの推移(Google Public dataより引用)
・日本の人口ピラミッド推移(Wikipedia:日本の人口統計)
・手取り収入の減少(Diamond Online:同じ年収でも「手取り」は15年下がり続けている)
・大企業のリストラ加速(Business Journal :ファミマ、1025人リストラ…セブン&アイは3000人、黒字企業の先行型人員削減が加速か)
これらの現状を直視し、これからの時代を生き抜く労働者として、対策を講じなければならない。
どうすれば良いんでしょうか……。
まず、正社員の既得権益は失われ、正規・非正規労働者という区別もあまり意味をなさなくなる。
大きな企業に入り、長いものに巻かれていれば安泰だった時代は終わる。
そんな時代にあっては、一人一人が自立した労働者としてのマインドを持つ必要がある。
自立した労働者としてのマインドですか。
そうだ。それは、明日から会社の外に放り出されたとして、会社や国のせいにして座り込まず、すぐさま自分の足で立って再び収入を得ることが出来るマインドの事だ。
このマインドは、「サラリーマンマインド」の対極にあるものだ。
サラリーマンマインド……。
サラリーマンマインドの特徴と脱却方法
あなたは「サラリーマンマインド」に陥っていないだろうか。
ここではサラリーマンマインドの特徴を以下のように挙げてみる。
②リスクをとれないので「投資」は出来ないが、「消費」には抵抗がない
これらがサラリーマンマインドの特徴ですか。
詳しく教えてください。
それではそれぞれ説明していく。
また、サラリーマンマインドからの脱却方法も最後に説明するぞ。
ヤバい統計を見せられても、具体的な次の行動が想像できない
さてここで質問だが、ペンちゃんはこうした「日本ヤバい」という統計を見せられて、次にどう行動したらいいと考えるだろうか。
うーん、そうですね……。
各々の課題については、ぼく一人が何か行動したところで、変えることが出来るものではないですし……。
まあたしかに、政治家になって数年単位で取り組まない限り、GDPも少子高齢化も解決できる問題ではない、と考えるのは自然なことだ。
しかし、だからと言ってじゃあ個人単位では何もしないで良いというわけではない。
どうしたら良いんでしょうか。
今回は具体的な行動そのものが論点ではなく、まずは「サラリーマンマインド」を脱却することが論点となる。
日本経済と一緒に沈んでいきたいと思う人は居ないはずだ。
しかし、サラリーマンマインドを持っている人は、誰かに指示された解決策を履行することに慣れてしまっていて、自らの意志で働きかけて課題を解決するというマインドになっていない。
なるほど。長年、上司から指示されたことばかりをやっている人にとって、「なんか知らんけど政治や経済界の偉い人がもっと上手くやれ」と思うことはあっても、自分個人が何かアクションをするわけではないですね。
そうだ。そしてそう思っているうちに、社会情勢はどんどん変化し、取り返しのつかないところまで行ってしまう。
いわゆる「茹でガエル」状態だ。
茹でガエルにならないためにはどうすれば?
単純なことだ。茹で鍋から飛び出せばいい。つまり、アクションを起こせばいい。
日本経済がヤバいとなった時に、それでも個人でしっかり稼いでいくためにはどうするか?ということを考えるのだ。
・今の労働内容が、市場でどの程度の価値がつくものなのか考える。
・分からなければ情報収集する。
・経済や経営、会計、情報技術などの勉強をし、自分の労働の付加価値を向上させる。
・結果的に、どこへ行ってもやっていくのに問題ない実力が身につく。
これがアクションですか……。
たしかに、勉強しなきゃいけないなーとか、このままでいいんだろうかと思っているサラリーマンは多かれど、本当にアクションを起こす前に挫折している人は多いと思います。
そうだな。しかし、なぜ挫折をしてしまうのだろうか?
たしかに、分かってはいるのになぜ挫折してしまうのでしょうか。
サラリーマンをやっていると、知らず知らずのうちに短期報酬でなければ我慢できないマインドを刷り込まれてしまうためだ。
おお、短期報酬でなければ我慢できないマインド、ですか?
次の論点に深くかかわるので、次節で説明していこう。
リスクをとれないので「投資」は出来ないが、「消費」には抵抗がない
同じお金を使うのでも、「投資」のためにお金を使うのと、「消費」のためにお金を使うのでは全然違う。
投資と消費……ですか。
投資というのは将来のリターン(報酬)のためにお金を使うことだ。
一方、消費はその場限りのもので、将来帰ってくる性質のものではない。
消費というと、娯楽や食事とか、ギャンブルで使ってしまったりなどですね。
ペンちゃんがハマっている、女の子がたくさん出てくるスマホゲームのガチャを回すなどは消費だな。
うう……、ぼくのことは置いといてください!
話が逸れたが、投資と消費は以下のようにとらえることが出来る。
消費……短期報酬(即時、報酬確約。リターンが明確)
おお、消費は短期報酬ですか。
そうだ。お金を払えば、その場限りの満足を得るためのサービスをすぐ受けられるのが消費だ。
消費というのは人間の生活を豊かにする上では必要なことだ。楽しく遊んだり、美味しいものを食べることは活力につながる。
しかしながら、消費ばかりして投資が出来ない人は、貧乏になるしかない。
先ほどの話では、「サラリーマンをやっていると、知らず知らずのうちに短期報酬でなければ我慢できないマインドを刷り込まれてしまう」ということでしたが、これはどういうことでしょうか。
サラリーマンは月々、決まった額の金額を給料として支給される。
これは確約された短期報酬に他ならない。
サラリーマンは、一定の労働力を提供していれば、それが利益に貢献しようが貢献していまいが関係なく、一定の給料が支払われる。
なるほど、サラリーマンは常に短期報酬の世界に身を置いているわけですね。
短い期間で、かつ報酬が確約されていること。これが当たり前になってしまうと、短期報酬こそがお金を稼ぐ方法だというマインドに陥り、投資などの長期かつ確約がないものは危険だとみなし、手を出さなくなる。
これがサラリーマンマインドだ。
しかし、投資と言っても、土地や株価が値下がりしたら損するので、やはり危険なのでは……。
ここで勘違いしてほしくないのは、投資というのは必ずしも金融商品のことではない。
広い意味で、自分のお金や時間を将来のためにどう使っていくか、という意味で捉えてほしい。
お金や時間を、将来のためにどう使っていくか、ですか。
その通り。もちろん投資信託などで将来的な資産を増やしていくのも大事だが、もっと大事な投資がある。
それは「自己投資」だ。
なるほど、自己投資……。
当ブログでは資格取得をお勧めしているが、資格勉強をする時間や、資格学校に通ったりする費用は「自己投資」になる。
将来的に自分の仕事の付加価値を上げることにより、高い給与を得ることが出来るようになるからだ。
例えば中小企業診断士の資格講座は受講料20万円~30万円ほど(資格学校に通った場合)だが、実際に資格取得して自分の仕事に活かせるようになれば、そんな金額はすぐに回収できてしまう。
サラリーマンマインドでいると、短期報酬にこだわるあまり、そうした長期的な目線でのリターンを狙おうとしなくなるってことですね。資格勉強だって、勉強したところで合格できるかどうかはわかりませんから。
その通り。「頑張っても合格できなかったら、そのお金と時間が無駄になる」と考えてしまうのが、サラリーマンマインドだ。報酬が短期的に確約されていなければ、アクションが起こせない。
しかしながら、資格勉強というのは実は勉強しているだけでも知識がどんどん得られるので、究極的には合格するかどうかは関係なく、資格取得はあくまで結果でありマイルストーンでしかない。
アクションを起こすことで副次的に得られるものも多いわけですね。
「多動力」という言葉がありますが、アクションをたくさん起こす人が有利になるというのは、こういう意味なんですね。
そうだ。しかしながら、サラリーマンマインドに陥っていると、長期的でかつ確約がされていない報酬から目を背けることになり、結果的にアクションが起こせず、副次的に得られるものもない。
一方、消費というのは、提供されるサービスが確約されていて、すぐに快楽を得られるので、サラリーマンマインドを持つ人間ほど消費ばかりしてしまう。
ストレス解消を名目に、美味しいもの食べたり娯楽に走ったり、というのは確かにあるかもしれません……。
たしかに忙しいサラリーマンはストレスも溜まりやすいので消費に走る気持ちもわかる。
しかし、本質的には、自己投資をして労働付加価値を上げることによってしか、サラリーマンのストレスは解消されない。
ストレスから解放される方法については、以前にこの記事で話しましたよね。
ストレスから人生を解放する方法【真・働き方改革】
サラリーマンマインドを脱却しよう
サラリーマンマインドでいることは、短期報酬にこだわることで自らを貧乏に陥れているということを説明した。
それではどうすれば良いのか?
当ブログは何度も言っているように資格取得をお勧めしている。
どういう資格なら良いでしょうか。
例えば簿記や中小企業診断士の取得は非常に有効だ。
まず勉強の過程そのものに意味がある。
勉強していると自分が思いもしなかった知識に出会えるし、頭脳も活性化する。
そして何より、アクションを起こす最初のステップとして、サラリーマンにとって一番分かりやすいからだ。
なるほど。副業を始めるとかだと何をして良いかわからないですけど、資格勉強を始めるっていうなら、資格学校のサイトから申し込めばいいだけですから、アクションを取りやすくて分かりやすいですね。
最初にどう行動していいかわからないから躓く、というのをまず防止できる。
そういう意味では、教育カリキュラムが整っている資格学校の門を叩くのが一番いい。
授業のペースなどもある程度決まっていますから、自分で計画を立てる必要もないですしね。
そしてある程度資格の勉強が終盤に近付いてくると、資格勉強前よりも自分の仕事の理解度が格段に上がっていることを実感できるだろう。そうなったときに、仕事のアウトプットが大幅に変わり、仕事の付加価値が上がる。
なるほど。
サラリーマンマインドに陥ることによって、そういう道が開けているにも関わらず、目を背けてしまいがちなのですね。
そうだ。長期報酬には必ずリスクが伴うものだが、サラリーマンマインドに陥っていると、リスクがゼロでなければ行動できないという、雁字搦めの人生になってしまう。
しかし、リスクの語源は「悪くなるのも覚悟の上で、勇気をもって試みる」という意味を持つ「riscare」だ。
リスクを取って長期投資をすることが必要で、投資というのはなにも金融商品の事だけではなく、自分の時間を勉強に使うことも指すんですね。
最後に、アリババの社長のスピーチを紹介しておこう。
何かにつけて行動を起こそうとしないマインドを持っている人は、ぜひ見てほしい。
それでは、今日のところはここまでにしよう。
ありがとうございました。