1.日本の労働者をジリ貧から解放すること
2.どうせ副業するなら「価値ある楽しい仕事をしたい」と思ってもらうこと
3.プロフェッショナル人材を少しでも増やすこと
はあ、会社員やってると稼げない時代になっちゃいました。
政府は「働き方改革」で副業や兼業を認める方針を出しているみたいですね。
そうだ、ぼくも副業を始めよう。
求人誌を見よう……。
お、この『ペンギンバーガー』って店でバイト募集してる。
時給850円か……電話かけてみよう。
ペンちゃん、バイトなんか応募して何をやってるんだ。
あ、みる子さん。
いや、お金がないからバイトを始めようかと……。
ペンちゃん、ハンバーガーが好きなのか?
いえ、最近メタボ気味なので、そういうの食べるのは控えてます……。
バーガー屋の経営やオペレーション、ノウハウを学ぼうと思っているのか?
将来バーガー屋のフードコンサルでもやりたいと思っているのか?
い……いえ、とりあえず目先のお金が欲しいので……。
そういう副業の始め方はジリ貧になっていずれ失敗するぞ。
・なんら本業とのシナジーが無い副業を選んでしまっている
・本業でも「スキル」と呼べるようなものが無く、副業も適当に選んでしまっている
ぼく、ジリ貧になっちゃうんですか?
当たり前だ。副業をする以上、普通に働くよりも疲労度もたまるし余暇の時間も減る。
疲労した状態で働き続ければ、本業での自己成長も阻害される。
労働時間に人生を縛られてしまい、お金を稼いでいるつもりがどんどん追い詰められていく。
うーん、じゃあどういう副業を選んだらいいんですか……泣
副業を始めるにあたって、4つのステップをまず踏むことを提案したい。
4つのステップ?
副業を始めるための4ステップ
「仕事」と「作業」の違いを理解しよう(付加価値とは)
まずは仕事と作業は違う、ということを知るべきだ。
仕事と作業は違う、とは具体的にどういうことでしょう。
分かりやすく並べてみよう。
・非定型的で、知識と思考力が必要
・代替するのが困難(交代人員がすぐには見つからない)
・付加価値が高く、価格交渉が有利
【作業】
・定型的で、知識がなくとも問題ない
・代替可能な作業(人の入れ替えが容易)
・付加価値が低く、価格交渉が不利
なるほど、作業というのはある程度マニュアル化されていて、語弊のある言い方かもしれませんが「誰でもできる」仕事なわけですね。
そうだな。基本的に学生のバイトなんかで賄えるようなもので、特別な訓練や知識を必要としない。
一方で仕事というのは、ある程度の経験や知識が無いとだめで、マニュアル化も難しいようなものことですね。
そうだな。臨機応変な対応を求められる、課題解決型のものと言える。
知識と経験があり、顧客の課題が解決できる人材は、付加価値が高い。
ぼくが応募しようとしていたのは、「作業」的な副業ですね……。
まあ、高校生でも勉強の片手間で出来てしまう事であれば、当然付加価値は低く、時給なども大して増えていかない。
価格交渉も不利なんですね。
価格交渉のときに最も重要なのは「簡単に替えがきかないこと」だ。
これが無いと、足元を見られて給料も上がっていかない。
しかし、「仕事」的な労働、つまり付加価値の高い労働をすれば、高い収入を得ることが出来る。
目先の収入ではなくて、付加価値の高い労働をするという意識を持たないといけないんですね。
そうだな。しかし、付加価値の高い労働をするというと、どうしても敷居が高く感じてしまう人も居る。
そうですよ。ぼくは何かのプロでも専門家でもないですから、付加価値の高い労働なんて……。
まあ、気持ちはわからないでもない。
しかし、そう考えてしまうのは、少し意識の転換が必要かもしれない。
「プロ」とは何か、について、少し認識を改めてみよう。
「プロ」とは何か、ですか?
「プロ」とは何かを理解しよう(プロ≠超高度人材)
言葉を定義しないと曖昧になってしまうので、プロとは何かを先に言っておこう。
プロとは「何らかの道に精通しており、それを強みにして実務や知見の提供ができる人」のことだ。
副業を始めるにあたっては、何らかの道の「プロ」として仕事を始めるのが良いだろう。
なるほど……しかし、プロと言われても、ぼくは何も資格など持ってないですし……。
ここでいうプロというのは、「制度上のプロ」の事ではない。
あくまで、「詳しい分野を持っていて、それを強みにして仕事ができる人」の事を指すと思ってくれ。
ペンちゃんはプログラマーだし、プロのIT人材と言えるだろう。
うーん、プロのIT人材……?
でもぼく単体では何もできないですよ。
構築環境を立ち上げられるわけでもないですし、ネットワーク回線も引けないし……。
なにより、一人ではどんな機能を作るかとかも構想できないです。
たしかに、全領域をくまなく出来てそれを強みとして仕事をしているプロも居る。
しかしプロの全員が全員、そういうトッププレイヤーであるわけではない。プロとはすなわち超高度人材である、という思い込みは間違いだ。
そうなんですか?
「プロの世界を厳しいんだ!」という言葉をよく耳にする。
確かにその通りだ。トッププロの世界は本当の厳しく、生き馬の目を抜く世界だ。
しかし、プロの中にもランクがあって、トップに多少実力が及ばない層も多数いる。むしろ、トップより下の裾野が広がっているからこそ、一握りのトッププロの活躍が映えるということだ。
なるほど……。
そしてトッププロ以外稼ぐことが出来ないかと言えば、そんなことはない。プロの仕事も多様なのだ。
たとえば、ペンちゃんだって新入社員向けにプログラミングを指導したりといったことは可能だろう。
あるいは、全然IT化されていない中小企業に、ほんのちょっとしたシステム環境を構築してあげることくらいはできるだろう。無料アプリを組み合わせて、少しだけ業務効率を上げてあげる、といった程度でもいい。
なるほど、トップ中のトップしか仕事が出来ないわけではないのですね。
その通り。しかし、「その道を極めなければ人に教えたり知見を提供できない」と勘違いしている人も多く、それゆえに自分の知見を軽んじて評価したり、勉強しても極められないとあきらめている人が非常に多い。
それはもったいないですね。
世の中には、自分よりも遥かにスキルのない素人が、ヒイヒイ言いながら業務を回していることも沢山ある。例えトッププロでなくとも、そういうところに知見を提供するのは十分に喜ばれる仕事となる。
トッププロからでなくとも、知見を欲している人はたくさんいる。
そういう人に向けて知見を提供する仕事、というのも仕事としてちゃんと成り立つわけだ。
一口にプロと言っても色んな層があることは理解しました。
もちろんトッププロとして知見を提供する方が付加価値は上だ。
しかし、付加価値にも度合があって、そこまでハイレベルな知見提供が必要でない場合も多い。
自分が精通した分野で、強みを発揮して稼ぐことが出来るということをまずは知っておこう。
勉強をしよう
さて、付加価値の高い仕事をする方法について解説しよう。
それはズバリ、勉強するしかない。
勉強ですか。結構大変な気がしますが……。
トッププロになるための勉強は、それこそ壮絶を極めると思う。
しかしながら、「トッププロしか価値がない」という世界観の誤りは上記で指摘した通りだ。
まずは、しっかり自分の既存の知識体系を整理したり、深掘りしたりする勉強から始めればいい。
整理してみると、意外とうろ覚えだったりすることがあるものだ。
具体的にはどういう勉強をすれば良いんでしょうか。
本業ですでにある程度知っている分野について、専門的に深掘りするのが良い。
・業務支援系システムを扱っているのであれば、システムだけではなく
業務そのものについて深掘りして勉強する。
・プログラマーや設計者であれば、システム構築の際のプロジェクト運営方法や
予算管理、会計処理についても勉強してみる。
・最近の技術トレンドについてキャッチアップする勉強をしてみる。
今やっている仕事が、根本的にどう成り立っているのか、という事を勉強できれば一番良い。
本業で日々やっていることに関連させつつ、まず知見を広げるということですね。
そうだ。自分の仕事の成り立ちを自分の言葉で説明できるのならば、それは既にプロと言って差し支えないだろう。
なるほど。
当ブログは簿記もしくは中小企業診断士の資格勉強を推奨しているが、その理由は、あらゆる業界のサラリーマンにとって知見を広げるのにこれほど最適な資格勉強は無いからだ。
簿記も中小企業診断士も、「会社」の成り立ちが勉強を通して見えてくる。
そしてあらゆる人は「会社」の中で働いているので、会社を学べば自分の仕事の成り立ちもわかるということだ。
資格合格してからじゃないと、副業できないんでしょうか?
資格取得自体は必須ではない。勉強そのものに価値がある。
勉強は知見を広げるとともに、頭脳を活性化させるので、自ずと「良い仕事」ができるようになるからだ。
日本の社会人の勉強時間は一日平均6分という統計が出ているが、みんな勉強していなさすぎだ。
なるほど。
そして、勉強をするということは知的資産を得るということだ。
知的資産を持つ人は、知的資産からの収入を得られる。
知的資産を持たない人は、時間を切り売りして収入にするしかない。
時間を切り売りする仕事はストレスと疲労ばかりが積み上がっていく。
<知的資産について詳しくはこの記事参照>
なるほど。副業は、時間の切り売りではなく、知的資産(つまり自分の知見や経験)を活用した仕事をするべきってことですね。
その通り。どうせ副業をするなら、付加価値の高い仕事をして、楽しくやってほしい。
そして、付加価値の高い仕事をするには、勉強をするのが一番の近道となる。
副業を探そう
さて、勉強をしたならばあとはそれを活かすのみだ。
副業を始めてみよう。
副業ってどうやって始めたらいいでしょうか。
プロとして働く方が良いということですが、うまく探せるかどうかわかりません。
先ほども言った通りだが、プロというのは「何らかの道に精通しており、それを強みにして実務や知見の提供ができる人」のことだ。
そういう知見を活かせる副業を斡旋してくれるエージェントも存在するので、探すのであればこういうところからになる。
なるほど、そう考えると、いろいろな副業やフリーランス案件紹介サイトがありますよね。
その中から「作業」か「仕事」かを見分けつつ、自分に合ったものを探せば良いわけですね。
「作業」の中にも付加価値が高いものもあるので、きれいに分類できるわけではないが、一つの評価軸として使うべきものだ。
そして探す際には、下記のようなことも軸に探していくと、なおいいだろう。自分の本業とのシナジーを意識して「仕事」をしていこう。
・本業との関連性があり、副業中でも本業と関連した自己成長が望める
・本業で培った経験が活かせること
・あるいは本業と近い領域で、本業では得られない経験・知見が得られること
付加価値の高い労働をしなければジリ貧
結局、「作業」的にこなせてしまうようなことで収入を得るのは、自分の時間の切り売りにしかならない。
そうであれば本職で残業した方がまだマシだ。
働き方改革の流れで残業が出来なくなってますが、だからと言って「作業」的副業で稼ぐしかないとなると、ジリ貧になってしまうのですね。
その通りだ。自分が精通した、あるいはある程度のレベルで詳しいと言える領域で、実務や知見を提供する仕事をするのが良いだろう。
でもやっぱり、高付加価値労働の中に身を置くというのは不安もありますよ。
プロの世界の中で仕事をしないといけないわけですから。
ある程度若くて、受け身でない人であれば、プロフェッショナルな人はちゃんと育ててくれる。
一方、プロの世界では、受け身の人にはとことん厳しいか放置される。
プロは問題解決を生業としているのであり、能動的に動かなければ何も解決しないことを知っているからだ。
うーん、自分を「どちらかというと受け身だ」と思っている人はどうしたら良いのでしょう。
「副業をしなきゃ」「このままじゃだめだ」と思った時点で、すでにその人は受け身ではない。
つまり、この記事に辿り着いた人というのは、既に受け身ではなく、積極的に情報収集をした人だ。
したがって、将来プロになる資格があるということだ。
あとは、それにプラスアルファの能動性を付加すれば、いずれ成功を手にできる。
なるほど、とにかく「自分から動く」というのが大事ですね。
その通り。
さて、今回はここまでにしよう。
ありがとうございました。