【職場でドヤれる会計知識】運転資金とは?黒字倒産はなぜ起こる。

会計・簿記知識
みる子
みる子

知っているだけで上司から一目置かれ同僚と差がつく財務会計の知識を教えていく【職場でドヤれる会計知識】シリーズ。

 

財務会計的な視点が普段のアウトプット(発言や資料作り)に組み込まれることで、上司やそのまた上の上司、さらには顧客にも「おっ」と思ってもらえる。財務会計はビジネスに必須の知識でありながら、勉強している人は意外と少ないので、ちょっとしたことを知るだけで同僚と大きく差がつくのだ。

 

会計をキャリアアップのツールとして身に着け、チャンスを広げよう。

残業ペンギン
残業ペンギン

不況のせいで、潰れてしまう個人飲食店や小売店が増えています……。
最近は「運転資金が不足する」という話もよく聞くようになりました。

みる子
みる子

そうだな。ところでペンちゃんは運転資金とはなにか、説明できるか?

残業ペンギン
残業ペンギン

運転資金ですか?
うーん……単なる手元のお金のことじゃないんでしょうか。

みる子
みる子

運転資金とは事業の継続に必要なお金のことだが、この一言だけでは体系的に理解したことにならない。
なぜ運転資金が無くなると会社がつぶれるのか?」と問われると「そんなの当たり前じゃん」と思うだろう。
しかし、「黒字倒産はなぜ起きる?」と言われたときにちゃんと説明できる人は何人いるだろうか?
実は運転資金について正しく理解していれば、これを説明可能になる。

残業ペンギン
残業ペンギン

わりとみんな使っている言葉ですが、たしかに運転資金の意味と言われると、ふわっとした理解しかありませんね。

みる子
みる子

シンプルだが結構おもしろい考え方なので、この記事を読めば「なるほど、そうだったのか!」と思ってもらえるはずだ。
会計上の意味を正しく理解することで、ビジネスマンとしても一段階レベルアップできる。
あと会計豆知識としてキャバクラのお姉ちゃんにも披露してドヤれるぞ。

残業ペンギン
残業ペンギン

えーと、ドヤる目的では使用する予定ないっす……。

みる子
みる子

教えてやると言うのだから遠慮するな。
というわけで今回は「運転資本」「運転資金」「資金の増減」という考え方を、順を追って紹介したうえで、おまけで黒字倒産がなぜ起きるかということも説明しよう。

・総運転資本
・正味運転資本
・経常運転資金
・資金の増減

運転資金を理解しよう

運転資本を解説(総運転資本・正味運転資本)

みる子
みる子

運転資本とはその名の通り、事業を運転していくための資本のことだ。
流動資産=総運転資本となる。企業が営業活動をするうえでの血流と言えるだろう。

残業ペンギン
残業ペンギン

流動資産は貸借対照表上の、一年以内に現金化できる資産のことでしたっけ。
【職場でドヤれる会計知識】貸借対照表と経営指標で勉強しました。

みる子
みる子

さらに、流動資産と流動負債の差額のことを正味運転資本と言う。

正味運転資本 = 流動資産 - 流動負債

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、正味運転資本とは「一年以内に現金化できる資産」と「一年以内に返済が必要な債務」を比べているわけですね。
流動負債の方が大きかったら、借金が返済できなくなっちゃいます

みる子
みる子

企業の返済能力を測る一つの指標だな。

残業ペンギン
残業ペンギン

じゃあ、運転資本は大きいほど良いんですね。

みる子
みる子

直感的にそう思ってしまうのは仕方ないが、じつはそうではない。
運転資本の増加は、資金の悪化を招く

残業ペンギン
残業ペンギン

おお?そうなんですか?

みる子
みる子

これは順を追った説明で理解できるので、まずは次の論点に行こう。

運転資金を解説(所要運転資金)

みる子
みる子

運転資金というのは下記の式で表される。
経常運転資金ともいって、流動資産・流動負債からさらに、企業の営業活動の主たる項目に絞ったものになる。

運転資金 = (売上債権 + 棚卸資産) - 仕入債務
残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、正味運転資本からさらに限定しているわけですね。

みる子
みる子

この式により算出された運転資金と言うのが、企業の営業活動に必要となる資金となる。
企業をある運営するのに、その分の資金繰りをしなければならないということだ。
所要運転資金という呼び方もされる。所要とは、必要となるという意味だ。

残業ペンギン
残業ペンギン

えーと……「必要となる資金」ということは、この計算式の結果が大きいほど、資金が必要になるってことですよね?
つまり資金繰りが大変になるってことですか。

みる子
みる子

そのとおり。

残業ペンギン
残業ペンギン

なんとなく直感的には逆な感じがしますよね。
売上債権や棚卸資産などの資産が多くて、仕入債務などの負債が少なければ、企業活動には余裕が生まれそうですが。

みる子
みる子

資金の増減として考えた場合、それは違うんだ。
次に資金の増減の考え方について説明しよう。

資金の増減

みる子
みる子

売上債権や棚卸資産というのは、将来的にキャッシュ(現金)になるものだ。
逆に言い換えると「今はまだ現金化を待っている状態のもので、キャッシュフローを滞留させているもの」なのだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

んん~……?ややこしいですね。

みる子
みる子

売上債権や棚卸資産は、入金されることで初めてキャッシュを得ることが出来るだろう。
売上は計上したが、まだ入金がされていないというのが売上債権だ。
つまり利益は出ているのにまだキャッシュが手元に入ってきていない、資金が入ってくるのを滞らせているものと捉えるわけだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

ああ、そういうことですか。
入金待ち状態だからお金が滞っている、と捉えるんですね……。

みる子
みる子

一方、仕入債務はどうだろうか?ペンちゃんが考えてみてくれ。

残業ペンギン
残業ペンギン

えーと、仕入債務の場合は、すでにモノは買ってるわけですよね。しかしまだ現金は支払ってないから……。
要するに、資金が出て行くのを滞らせているから、資金という点ではプラスの作用があるというわけですか。

みる子
みる子

そういうわけだ。まとめると下記のようなことが言える。

・売上債権の増加で資金は減少する
・棚卸資産の増加で資金は減少する
・仕入債務の増加で資金は増加する
残業ペンギン
残業ペンギン

ほー、なるほど。
債務が増加すると資金が増加するっていうのは、直感的には逆ですけど、資金繰り的には増加の作用があるんですね。

みる子
みる子

そのとおり。借金地獄で金がないという一般的イメージから、つい逆のイメージをしてしまいがちだがな。

残業ペンギン
残業ペンギン

仕入債務は、取引したけど資金が出て行くのを待ってもらっている状態だからってことですね。

みる子
みる子

そうだ。そして、通常は仕入債務と言うのは債権が入ってくるよりも期日が早く到来する
当然と言えば当然だ。商品を仕入れて売るという商売をしていた場合、先に仕入債務が発生して、あとから売上債権が計上されるわけだからな。

運転資金

みる子
みる子

この図のように、資金が先に出て行き、その後に資金が入ってくる。
この二つの間にはギャップがある。
その間を埋めるものとして運転資金が必要となるわけだ。
これを管理するのが資金繰りということだな。

黒字倒産はなぜ起きる

みる子
みる子

先ほどの図で見たように、売上債権、棚卸資産、仕入債務を常に回し続けることで、企業は事業活動を行っている。
しかし、手元のキャッシュが尽きてしまうと、このサイクルが崩壊する。

残業ペンギン
残業ペンギン

資金繰りに失敗したということですね。

みる子
みる子

手元にキャッシュがない状態で、2か月後に振り込まれる債権があったとする。
他方、1か月後に支払わなければならない債務があったとする。
しかし手元にキャッシュが無いので、支払いをすることが出来なくなる。

残業ペンギン
残業ペンギン

困ったことになりますね。

みる子
みる子

黒字と言うのは利益が出ている状態のことで、損益計算書上で認識できる話だ。
売上(収益)が仕入(費用)よりも大きければ、その企業は黒字となる。
だが、損益計算書はキャッシュの状況を表現しない
例えば2か月後に振り込まれる債権2,000円と、1か月後に支払う債務1,500円があったとしても、損益計算書上は500円の黒字だ。

残業ペンギン
残業ペンギン

なるほど、黒字であっても支払が出来ず倒産となってしまうのは、そういった理由からなのですね。

みる子
みる子

このように、損益計算書(+貸借対照表)だけ見ていても、その企業の資金状況の健全性がわからない。
よって、損益だけでなく資金増減、つまり「キャッシュフロー」にも着目する必要がある
財務諸表の一つである「キャッシュフロー計算書」は、そのような目的で作成されるものだ。

残業ペンギン
残業ペンギン

そういうことだったんですね……。
勉強になりました。ありがとうございます。

みる子
みる子

キャッシュフロー計算書については、また別途詳しく解説するぞ。
さて、これでキャバクラでドヤれるネタが増えたな。
お姉ちゃんに「さすがですね、しらなかったです、すごいですね」って言ってもらえるぞ。

残業ペンギン
残業ペンギン

だからぼくキャバクラでお姉ちゃんにドヤらないですから!
あとそれキャバ嬢トーク術の「さしすせそ」でしょ!
知ってるんだからっ。一人でドヤってるとちょっと空しいやつっ。

みる子
みる子

というわけで今回はここまでにしよう。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

タイトルとURLをコピーしました