ERP(経営資源計画)パッケージソフトは、企業活動おける広範な領域をカバーしている。
このため、SAPコンサルタントは会社業務についての幅広い知見(販売、購買、生産、会計、その他経営全般)が求められる。
そして、世の中には会社業務における各領域の知識を体系化した資格制度が、意外なほどに多く存在する。
今回は、SAPコンサルタントの仕事力を増強してくれる「仕事の資格」についてご紹介する。
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SAPコンサルタントの仕事に役立つ資格
◎SAP認定コンサルタント資格
まずは定番というか、SAPコンサルタントの肩書として最もわかりやすいのが、SAP社が提供している民間資格である「SAP認定コンサルタント資格」だ。
これを取得しておくとSAPコンサルタントを名乗る際に便利なのと、SAPの特定領域について一定の知識を保有している証明になる。
「SAP認定コンサルタント資格」について、詳しくは以下記事で紹介している。
◎簿記2級/3級
SAPコンサルタントとして仕事をする際、会計の知識は非常に強力に作用する。
しかし、これを言うと「FIモジュール担当でもないなら簿記は必要ないのでは?」と返されることがある。
確かに、言うまでもなくFI、COモジュール担当者は修めておくと大いに役に立つ。
だが、ロジスティクス担当者は会計の勉強が不要かというと、そういうことではない。
以下に理由を説明する。
そもそも会社活動を語るうえで、会計知識は欠かせない
「経営資源」とはヒト・モノ・カネのことを指す。
カネは経営資源の一角を担う重要な要素であり、利潤、費用、資本という概念を体系的に説明可能としたのが「複式簿記」と呼ばれるもの。
複式簿記は取引の二面性に着目し、「貸」「借」という2つの側面からあらゆる価値の移動を説明する非常に美しい体系といわれている。
複式簿記の歴史はけっこう古く、15世紀以前に成立して以来、その会計理論は500年以上の蓄積と変遷を経ており、資本主義の成立と発展とも深い関係がある。
資本主義社会において「経営資源」というテーマと向き合いながら働く我々SAPコンサルタントにとって、切り離せない知識なのではないだろうか。
簿記を単なる経理手続きの勉強として捉えるべきではないと思う。
利潤、費用、資本という概念なくして会社活動は成立しえないためだ。
会計はSAPコンサルタントとってどのように役立つのか?
まず第一に、会計はSAP機能についても複数の側面から理解するのに役に立ってくれる。
ロジスティクスのモジュールはほぼ必ず、FI・COモジュールにデータが連携されていく。
仕訳や原価管理の概念を理解することで、ロジスティクスにおける各機能がなぜそのようにデザインされているのか、(連携先の後続処理において)何を重視しているデータベース構造となっているのか、といった側面に気付くことができる。
そして第二に、SAP導入の要件定義を行う際にも役に立つ。
SAP導入プロジェクトにアサインされる顧客側の担当者は、ほぼ必ず会計知識を保有している。
工場生産管理の顧客担当者は、間違いなく工場経理と生産現場の双方を経験している。(逆に、そういう人でないとERP導入のPJにアサインされない)
そうした優秀な担当者と渡り合うためにも、ロジ担当が会計知識を修めておくのは、顧客から「話の通じる人だ」と思ってもらう上でも重要だ。
モジュール別の役立ち度
FI、CO担当者は言わずもがなだが、SD、MM、PP担当者も簿記を勉強しておくと、SAPコンサルタントとして強力なバックボーンとなる。
簿記2級/3級(会計)の勉強方法
・本で勉強
簿記の対策本は各出版社から豊富に出ているので、人気のものを選ぶと外れない。
以下の本は分かりやすいのが特徴なのでおススメ。
また、簿記手続き自体は知らなくとも、以下のような本で会計の重要なエッセンスを学ぶことができる。
会計を勉強した人々から非常に厚い支持を得ている本なので、社会人であれば一度は読んでおきたい、イチオシの本だ。
◎ビジネス・キャリア検定(営業・生産管理・ロジスティクス)
JAVADA(中央職業能力開発協会)が提供しているビジネス・キャリア検定は、会社業務の様々な領域における業務知識を出題する検定となっている。
このうちおススメしたいのが、営業、生産管理プランニング/オペレーション、ロジスティクス管理/オペレーションの分野だ。
各業務の背景にある考え方が網羅的に勉強でき、「標準的な業務」を想定してデザインされているSAPとの相性も良い。各モジュールの業務理解を深めることができる資格と言える。
モジュール別の役立ち度
ビジネス・キャリア検定は会計領域ももちろんカバーしているが、簿記については前節で解説済みなので、ここではロジ領域に限った役立ち度の評価とする。
ビジネス・キャリア検定の勉強方法
ビジネスキャリア検定の標準テキストを読むのが一般的な勉強方法となっている。
これらの教科書は眺めているだけで結構勉強になるので、まずは一冊手元に置いてみるのも良いかと思う。
◎中小企業診断士
中小企業診断士の資格は、中小企業支援法を根拠とする国家資格だ。
中小企業における経営の診断や助言を行うに足る知識の習得を目指すもので、その資格勉強は、まさに「会社」について学ぶ内容となっている。
このようなことから、中小企業診断士資格は、ERPパッケージソフトと非常に相性が良い。
各業務同士の繋がりを理解し、また各業務の背景にある考え方を幅広く理解することで、会社業務を全体感を以て俯瞰することが可能となる。
中小企業診断士資格はSAPコンサルタントとってどのように役立つのか?
SAPコンサルタントの仕事では、顧客業務のヒアリングと理解が重要な業務なのだが、中小企業診断士の勉強をしておくと、どのモジュールの話を聞いても「お客様の言っている業務の話がよく分からない」というケースにほぼ遭遇しなくなる。
また、知らないSAPの機能でも「だいたいどのような業務を想定した機能か」のアタリがつくようにもなる。
こういった効果から、要件定義フェーズでの活躍や、複数モジュールに渡って統括が必要となるPL、PMとしての仕事力向上も期待できる。
多業種の管理能力向上を目指す人材が受験している
SAPコンサルタントとしてだけでなく、個々人のビジネスライフにとっても、中小企業診断士の肩書は好影響がある。
中小企業診断士は幅広い業種から受験者が集まる資格で、年齢別の最多層は30~39歳、次いで40~49歳が最も多い。
これは主に管理者層(課長・部長など)が自身の管理能力向上を目的として受験するケースが多いからと考えられる。
自社の業務理解をすることは自身の管理能力向上につながるし、経営目線で自社業務を見るようになるので的確な管理が出来るようになる。
キャリアアップの可能性を大いに期待できる。
中小企業診断士についてもっと詳しく知りたい
詳しくは以下の記事でまとめているので参考にして頂きたい。
モジュール別の役立ち度
中小企業診断士の試験科目に「財務会計」および「運用管理」というものがある。
・「財務会計」は簿記2級相当、及び一部の意思決定会計の領域を含む内容と言われている。
・「運用管理」とはロジスティクスに関わる学習内容を含むので、SD・MM・PPの理解度も深まる。
つまり全領域にとって非常に役立つ内容となっている。
更に上記以外の科目では「経済学」「企業経営理論」「経営法務」といったものがあり、SAPコンサルタントとしてのみならず、社会人として習得しておくと有益な科目ばかり。
中小企業診断士の勉強方法
独学で勉強されている方も多数いらっしゃるものの、勉強の習慣づけやリズムを作るといった観点から、予備校やオンライン学習サービスを活用することをおススメする。
中小企業診断士は7科目あるので、長期戦になりがち。モチベーションを保つ意味でも、そうしたサービスの利用は有効だと思う。
・スタディングで勉強
通信講座のサービスを提供している「スタディング」は時間の無い社会人のために隙間時間で学べることがウケて急成長しており、とくに中小企業診断士の講座はおススメ。
合格者の体験談などのPR広告もYoutubeなどでよく見かける。
士業資格の取得はお金も時間もがかかりがちだが、スタディングでは社会人の生活に合わせた資格講座を提供しており、人気を博している。資格予備校にハードルの高さを感じている人は、まずは以下のリンクから詳しい情報をご確認頂きたい。
◎TOEIC
英語が社会人にとって有力なツールとなるのは、もはや言うまでもないことだろう。
特にTOEICの点数は、ビジネスの場において広く流通している価値基準なので、高得点を目指して頑張るのは常に有効な戦略となる。
TOEICはSAPコンサルタントとってどのように役立つのか?
SAPはグローバルに展開されているパッケージソフトだけあって、国内のみならず海外においても多数のユーザ企業が存在する。
国内資本の会社の海外展開、国内資本の会社が海外資本の会社を買収する、あるいは海外資本の会社へと売却される、海外資本の会社の日本進出……こうしたケースにおいてSAPの拡張や新規導入案件が発生するので、日本にいてもあらゆるパターンの国際プロジェクトに関わる機会がある。
こうした中で、英語ができるというのは人材価値面のアドバンテージが大きい。
・マルチリンガルの希少性により単価アップが期待できる
・他国でのSAP導入アプローチやシステム運用の文化を学べる
モジュール別の役立ち度
モジュールという切り口では関連が薄いので、直接的に役に立つわけではない。
だが、英語ができるとどのモジュール担当でもチャンスを掴みやすいのは間違いない。
TOEICの勉強方法
・スクールを活用
英語の勉強は、一人だとなかなか長続きしない。
(言語とはコミュニケーションのツールなので、当たり前と言えば当たり前だが)
【リクルート】の【スタディサプリENGLISH 『TOEIC(R)対策 パーソナルコーチプラン』】では、オンライン専属コーチからチャットや音声通話で学習進捗や課題のアドバイスもらえ、短期間でのスコアアップを目指す人のサポートをしてくれる。
こうした「伴走型」のサービスはモチベーションの維持や学習の悩みの相談などで効果を発揮する。英語学習には強い味方となる。
◎貿易実務検定C級
SDあるいはMMモジュールの担当をしたことがある人は、輸出入を伴う業務の要件定義で苦労した経験もあるかと思う。
通関業務というのは知らないとイメージしづらく、輸送に関わる保険や諸掛の考え方、各種通関書類(インボイス、パッキングリスト、原産地証明書等)、保税倉庫の仕組み、信用状の仕組みなどなど、覚えることもたくさんある。
貿易実務検定C級では、そうした貿易に関する基本的な知識を勉強できる。
貿易実務検定C級の出題は「貿易実務」と「貿易実務英語」で構成されており、上述の知識は「貿易実務」でカバーされ、この領域の勉強はSD、MMの知見を増強してくれる。
以下ページでC級の例題をご確認いただけるので、参考まで。
モジュール別の役立ち度
SD・MMの輸出入に関わる要件定義を行う際に役に立つ。
SD・MM機能全体から見ると「輸出入」は限定的な部分ではあるものの、SAPを導入する企業であればどこも輸出入業務は行っているので、重要性はかなり高い。
貿易実務検定C級の勉強方法
・本で勉強する
貿易実務検定C級は以下の本が、『日本能率協会マネジメントセンター』によるオフィシャルテキストとなっている。
試験合格を目指すならスタンダードな教科書となる。
もう少しライトに勉強したいのであれば、同じく『日本能率協会マネジメントセンター』による「マンガでわかる」系の本も出版されている。
◎AWS認定資格
クラウドプラットフォーム上でのSAP導入・運用は今後加速していくと考えられる。
SAP業界のみならず、いまや自社システムの稼働するプラットフォームをインターネット経由のサービスに切り替えることは一般的となりつつある。
SAPコンサルタントとしてもAWSの知識を持っておくことで、導入PJ開始前の構想段階から的確な知識に基づく提案活動ができるようになるはずだ。
AWSは認定資格があり、以下図のように体系化されている。
引用元:https://aws.amazon.com/jp/certification/
勉強方法については、秀和システムから出ている以下の本が基礎的な部分から解説してくれているので、非常に分かりやすい。
SAPに加えて、もう1スキル
これからのプロジェクトで活躍できるエンジニアになりたい人へ
SAP以外の技術も習得し、一歩先の希少価値を手に入れましょう
AI・データサイエンス/Amazon Web Services/プログラミング(Python/Javascript)/
ネットワーク/データベース(Mysql/PostgreSQL)/サイバーセキュリティ
IT未経験からの指導も充実。月12回以上のzoom授業、過去授業動画も視聴できる。
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